仏像名

えんおうざぞう

東大寺
制作年代

重文
鎌倉時代

閻魔王坐像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造、玉眼
彩色

樹 種

像 高

123cm

製作者

安置場所

念仏堂

開扉期間

解 説

 東大寺の鎌倉期復興に尽力した俊乗房重源が営んだ東大寺別所浄土堂の跡地に立つ念仏堂に伝来。王冠を戴き、中国風の道服を身につける坐像で、左手は膝におき、右手は笏を持つ。眼をいからせ、口を開いて睨み付ける忿怒の表情はすさまじい。泰山府君像とともに伝わったが、画像には若干の作風の違い認められる。担当者の個性の差に起因するものか。肉身部は肉色に塗り、道服には緑青地に胡粉盛り上げ金箔押しによって竜文を表わしている。
「なら仏像館 名品図録」より 奈良国立博物館 2010年

私 の 想

 人間社会の中で悪行の限りを尽くして来た悪人共も、閻魔様の前では、このお姿とこの眼を剥いたお顔では、跪かない訳には行かない。
 何に地獄行きの切符が下されるのやら、心配で、心配で震える膝を抱え込む。この世の元気は何処に消えたのやら、悪人共も案外小心なのだ。
 一方には、お釈迦様はちゃんとお地蔵様を用意して下さいます。お地蔵様がそれぞれの地獄から苦しみを救って下さる。お釈迦様は苦しみばかりでなく、救う手立てもご用意されているのである。

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