仏像名 |
ふげんぼさつきぞうぞう |
東大寺 制作年代 |
重文 平安時代 |
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普賢菩薩騎象像 |
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様 式 |
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俗称又 は愛称 |
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製作材質 |
木造、 彩色、 |
樹 種 |
ヒノキ |
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像 高 |
37cm |
製作者 |
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安置場所 |
四月堂 |
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開扉期間 |
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解 説 |
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四月堂(三昧堂)左脇厨子に安置され、象の背の蓮華座上に座す普賢菩薩像である。平安時代後期頃には、絵画・彫刻を問わず「法華経」勧発品にもとづく騎象の普賢菩薩像が盛んに制作される。本像もそうした時流によるものである。頭体幹部をヒノキの一材から造り、両耳後の線で前後に割矧ぎ、内刳りを施した後、三道下で頭体を割矧ぐ。両足部に別材を矧ぎ、さらに右腰脇に別材を矧ぐ。左腕は肩・前膞(後補)、右腕は肩・上膞半ば・前膞半ばでそれぞれ矧ぐ。左鰭袖から垂下する大袖や右大袖垂下部はそれぞれ別材製後補。象は、ヒノキ材を上下二材に矧ぎ、これに四脚を矧いでいる。普賢菩薩及び象ともに全体に浅く穏やかな彫りでまとめられ、両者はともに同じ時期の制作となろう。なお、本体像内背面に文亀三年(1572)寶祐を願主として仏師源義長によって修理がなされた旨の墨書銘がある。 「東大寺」解説より |
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私
の 想 い |
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平成26年7月に「法隆寺夏季大学」で奈良を訪問した。その時に時間があったので、東大寺四月堂も訪ねた。本尊の千手観音立像は格上げしたかで、不在であった。しかし、後で訪ねたミュジアムの本尊に収まって居りました。いつも四月堂に寄って、本尊と四天王像に挨拶をするのである。ところが本尊不在でがっかりする姿に管理員さんが、話し掛けてくれ、いろいろ話す内に、普賢菩薩騎象像を拝観させてくれる事になった。 ここで折角なので、普賢菩薩騎象像について、 東京・大倉集古館の国宝普賢菩薩騎象像と長野・牛伏寺の重文普賢菩薩騎象像と本像の三躯を比較して観たい。 私の比較したい興味な点は、象の姿である。平安時代には日本に象は存在しない動物であるから図像画の絵から姿を見て、想像して彫ったとしか思えないのである。仏師が観た図像画によって、偏りが存在するかも知れない。 部位の比較を試みました。 騎象の鼻は 大倉集古館像 1)まとまっていて太く丸い鼻。丸く鼻先が丸まる。 牛伏寺像 1)頭から扁平な鼻が前に出て来て、先も扁平のままで丸まる。 東大寺四月堂像 1)太く丸みがあり、本物に近いが鼻先の丸まり方が不自然。 耳は 大倉集古館像 1)筒状の耳で不自然。更に耳が筒状に垂れる。 牛伏寺像 1)眼の斜め上に扁平に小さく着いている。 東大寺四月堂像 1)筒状だが、大倉集古館像よりも大きく、本物により近い。本物は団扇状だ。 足は 大倉集古館像 1)四爪の足。 牛伏寺像 1)四爪の足。 東大寺四月堂像 1)四爪の足。 牙は 大倉集古館像 1)なし。インド象で無いのかも。 牛伏寺像 1)口の脇から前に伸びて在る。アフリカ象の様に長くない。 東大寺四月堂像 1)口の脇から前に伸びて在る。アフリカ象の様に長くない。 本尊の姿は 大倉集古館像 1)両手を胸の前で合掌している。 牛伏寺像 1)両手を胸の前で合掌している。 東大寺四月堂像 1)両手を前に出して、段違いに蓮華の茎を持つ。 象の出来栄えからは、東大寺四月堂像に軍配が上がるが、全体では国宝の大倉集古館像に敬意を払います。 |
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