仏像名

ふりがな せんじゅかんのんりゅうぞう

恵隆寺
制作年代

    重文
鎌倉時代

千手観音立像

様 式

俗称又
は愛称

立木観音と呼ばれている

製作材質

木造、
漆箔

樹 種

カツラ

像 高

742cm

製作者

安置場所

本堂

開扉期間

解 説

 通称立木観音。合掌する手を含めて42臂の千手千眼観世音菩薩像である。現在も床下に根があるカツラの木の一木彫り。
 衣文の彫りは浅いが、腰裳の折り返しを二段に造って、長い下肢が単調にならないように工夫されている。
「古寺をゆく 勝常寺と会津の古刹」より 小学館 2001年

 塔寺の立木観音といわれ、一本の木より彫り出されたとされる。縁起では高さ二丈八尺と記され、千手観音像は巨像が多いが、木彫像では県内最大の大きさである。
 細身の体躯はすらりとして抑揚に乏しく、立木より彫り出されたような造形である。鎌倉時代の造立といわれるが、実際の造立年代はいくらか下がるかも知れない。元和三年(1617)再興と伝える。
「仏都会津 祈りの里の仏たち」より 藤森武著 福島民報社 2005年

私 の 想 い

 本堂に入ると、祭壇には幕が張ってある。右側から幕の内側に招かれての拝観である。余りにも近過ぎて、大袈裟に言えば、お腹でお顔が見えない。これは嘘です。
 幕を開けるまでもない。近くで拝観出来るのであるからという配慮なのだろうか。こんな配慮はいらない。やはり、拝観者といえども、信者の一人である。千手さんの全体を拝見して、願いごともしたいと思う。近過ぎで脚にお願いをしているようである。
 像の右手側から後ろを覗くと、やはり、立木の丸味がよく判る。お堂の抱き着き柱よりも太い。錫杖を持った長谷寺式の千手千眼観世音菩薩立像である。
 私は、長谷寺の十一面観音像の真下からの拝観をしたことがない。いつもは、お腹の辺りから上を、回廊から登った床から拝観している。仰ぎ観ると言う感じはない。
 長谷寺は、1018cmである。更に3mは大きいのである。742cmで真下から仰ぎ観る。
 誰かの言い分ではないが、大きいことは好いことである。

千手観音立像画像一覧
千手観音立像
恵隆寺に戻る