仏像名

ふりがな あみだにょらいざぞう

円福寺
制作年代

重文
鎌倉時代

阿弥陀如来坐像

様 式

応長二年(1312)

俗称又
は愛称

製作材質

木造
漆箔

樹 種

像 高

124cm

製作者

安置場所

開扉期間

解 説

 弘仁三年(1812)開基の寺伝が残る円福寺は、法睿山高岳院円福寺と号する天台宗のお寺です。
 本尊阿弥陀如来坐像は国指定重要文化財。平安時代末から鎌倉時代はじめ頃に造られたものです。また室町時代の絹本著色阿弥陀如来像や、徳治二年(1307)造立の銘札の残る阿弥陀如来三尊像があり、ともに県の文化財に指定されています。
 境内の小栗堂には小栗判官と照手姫の像が祀られています。また本堂前には松尾芭蕉が石川県全昌寺で詠んだ。
「庭掃いて 出ばや寺に 散柳」
の句碑があります。
円福寺縁起より 2010年

私 の 想 い

 予備知識がなくこの仏様を拝観して名前を聞かれた時に何て答えるか。まずは、先に釈迦如来、次に、薬師如来、最後に阿弥陀如来となるのではないでしょうか。
 まず、頭から螺髪であるから如来である。衣裳も如来の衣裳である。印相は、親指と親指を突き合わせて、手の平を重ね合わせる。法界定印である。
 この印相は、釈迦如来と大日如来に多い印相である。大日如来は宝冠を冠るので、大日如来ではない。釈迦如来の可能性は残る。
 薬師如来は、重ねた両手の平の上に薬壷があれば、薬師如来だが、ないから薬師如来ではない。
 最後に阿弥陀如来はどうか。阿弥陀如来は阿弥陀九品印という印相をすることが多い。上品上生に始まり、下品下生までの九つの印相である。九品印でない法界定印である。
 ここまででは、釈迦如来で決まりである。
「この像は、釈迦如来坐像です。」
と答えてしまいます。
 ところが、実は阿弥陀如来坐像であります。阿弥陀如来もありですか。阿弥陀如来も法界定印もありです。このように法界定印は全ての如来が出来る印相と思っても良いようです。法界定印が阿弥陀如来にもありということで阿弥陀如来坐像です。
 最後に、写真をお許し頂いた円福寺様に感謝申し上げます。法界定印の阿弥陀如来坐像を沢山ありますので、ゆっくりとご覧ください。
 更に私がこの阿弥陀様が好きになってしまった点を申し上げます。両手の親指を突き合わせて居ますが、親指の間接を折り曲げて突き合わしている。親指を伸ばしたままでなく、折り曲げているので、丸味を帯びた空間になっていることです。
 写真で上手く表現できずに、阿弥陀様御免なさい。

阿弥陀如来坐像画像一覧その1
阿弥陀如来坐像画像一覧その2
阿弥陀如来坐像画像一覧その3
阿弥陀如来坐像画像一覧その4
阿弥陀如来坐像
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