仏像名

ふりがな しょこうおうざぞう

円応寺
制作年代

重文
鎌倉時代

初江王坐像

様 式

建長三年(1251)

俗称又
は愛称

製作材質

木造、彩色
玉眼

樹 種

像 高

103cm

製作者

幸有作

安置場所

開扉期間

解 説

 初江王は閻魔王などと共に、冥府にあって死者の生前の罪悪をさばく十王の一人とされている。
 この像は寄木造、玉眼嵌入で、運慶様の流れをくんだ写実的傾向に併せて、服装などは全く中国的な、いわゆる道服を着ており、あるいは流れ、あるいは乱れ、一方では泡立つが如くに渦を巻く、複雑な衣文の彫法には、鎌倉時代に盛んに大陸から入って来た宋朝美術の強い影響を見る事が出来る。
 体躯を斜めに構えて、ぐっと亡者をにらめつける凄まじい面貌・姿態は多少誇張したきらいはあるにしても、誠に優れた写実性を示している。鎌倉大仏と共に、鎌倉地方に新風を吹き込んだ典型的な作品としての価値は高い。
 胎内袖部に「建長三年(1251)、大歳辛亥八月五日願主□勧房(花押)□幸有(花押)為法界衆生平□利益大檀那□□」という墨書銘がある。
 仏師幸有については不明じゃ、鎌倉地方仏師の一人だったと考えられている。なお円応寺はもと新居閻魔堂と呼ばれ、由比ガ浜の大鳥居近くにあったのを、江戸時代に現在の巨福呂坂上に移されたもので、他に時代にそれぞれ差があるが、十王像すべてと倶生神・ 鬼卒・人頭杖などの一具を備えている。
「特別展 鎌倉時代の彫刻 1975年」より

私 の 想

 右手は右足の膝頭に甲を着けて、親指と人差指で輪をつくり、他の三指は握っている。左手は肘を折って、手の平を開けて横に広げている。
 右前方の異変に気付いて、驚いているのだろうか。口は半開き、眼を剥いて驚く。

初江王坐像画像一覧その1
初江王坐像画像一覧その2
初江王坐像
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