仏像名

ふりがな だいいとくみょうおうざぞう

金沢文庫
制作年代

重文
鎌倉時代

大威徳明王坐像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

木造、彩色、截金文様
玉眼、金泥、

樹 種

像 高

21cm

製作者

運慶作

安置場所

開扉期間

解 説

 本像は現状で像高21.1cm。当初は六面六臂六足で、水牛に坐った姿であったと考えられるが、手足の殆どと頂上の三面、右脇面を失う。
 しかし、多くの手足を失いながらも、本面と左脇面、体幹部はその彩色も含めてよく残る。着衣は条帛、裙、腰布、獣皮を着ける。
 構造は竪木一材両耳後ろ通る線で前後に割矧ぎ、内刳りのうえ割首し玉眼を嵌入する。また、両脇面も同材から彫出し、両耳前の面部で割矧ぎ玉眼を嵌入する。各面の焔髪は部分的に矧ぎ付ける。各腕は上膊部と前膊部をそれぞれ別材で矧ぎ付け、第一手は付け根に蟻枘を作り出し、両肩の矧ぎ面上方の枘穴に上から落とし込んで差し込み矧ぎとし、第二手と第三手は両肩矧ぎ面の後半に上下二段に雇い枘で矧ぎ付ける。 像表面の仕上げは、黒漆塗り下地に、肉身部は群青とし、髪は代赭地に、全面は截金、後頭部は金泥で髪筋を描く。条帛は朱地に截金で斜格子、裙は裏地を金泥地とし、腰布は緑青地に金泥で九弁花などを描き、獣皮は黄土地に墨で斑点を散らす。なお像底には鉛白をかけて水銀朱を塗る。銅製鍍金の冠飾、胸飾、臂釧を取り付ける。
「金沢文庫の仏像」より


私 の 想

 平成18年12月に金沢文庫にて、特別展として開催されました。運慶作であるという確認がされたと新聞にも紹介があり、特別展を拝観しました。
 六面三目六臂六足であったという。現在は、二面が残り、三目も確認できる。六臂の内右の三臂の存在は確認できる。完全に残ったのは、正面の第一手のみであとは肘から先を欠く。左に至っては、肩から先を欠いている。足もまたぐ足だけが確認できるのみで、他はない。誠に残念である。
 正面のお顔は、凛々しく精悍で玉眼の目が光る。もう一つ残る左面のお顔も驚いた表情をされていて、眼光鋭くこちらを睨む。眼光は金剛峰寺の八大童子に似ている。
 六波羅密寺のあの運慶さんの作かと合せて思い出す。

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