仏像名

ふりがな しょうかんのんりゅうぞう

東慶寺
制作年代

重文
鎌倉時代

聖観音立像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造 金泥 彩色
切金文様 玉眼

樹 種

像 高

133cm

製作者

安置場所

開扉期間

解 説

 像には、土紋の装飾が施されていまする粘土を型に入れて作った花形をはりつけ、表面に彩色したものです。鎌倉地方独特であり、鎌倉時代末期から南北朝にかけて造られた貴重な装飾法であるといわれています。
「東慶寺しおり」より 2008年

 もと太平尼寺の本尊、大平六年(1526)里見氏鎌倉乱入の時、住持青岳尼とともに安房国に奪い去られたが、要山尼が本尊を取り返し、後に東慶寺の泰平殿に安置された。
 台座・光背は後補。右足を軽く前に踏み出す。来迎姿で、髪を高く結い上げ、衣文の襞は写実的で、全体に宋風彫刻の影響が強い。衣文には厚手の彩色のほか、細かく土紋を施す。土紋は練った土を花、葉、輪法などの雌形にいれて文様をつくり、それを衣の適当な場所に漆で貼る装飾法で浮彫に似た効果を出す。
「東慶寺 出展仏像の説明」より 2008年

私 の 想

 右手は脇を締め、肘をV字に折り、手の平を正面に向ける。親指で人差指を摘まみ、上品印である。
 左手は脇を締め、肘をくの字に折って、お腹の前で蓮華の蕾を握る。五段の蓮弁の蓮華台に立つ。髪を高く結い上げて、半眼の眼で前を見る。
 衣がお腹の前で大きく五つの波を打って垂れ下がる。獅子が四つ這いになって蓮華台の下を支えている。案内板には、聖観音菩薩となっているが、獅子が下で支えたということは、この像は、観音様であるが文殊菩薩なのかも知れない。正式には文殊菩薩立像である。
 松岡宝蔵という人の名前にも似た、収蔵庫の入口で迎えてくれる。

聖観音立像画像一覧その1
聖観音立像
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