仏像名

 ふげんぼさつきぞうぞう

牛伏寺

制作年代

重文

平安時代

普賢菩薩騎象像

様 式

修理 応永二十五年(1418)

俗称又

は愛称

 

製作材質

木造、

彩色、

樹 種

 

像 高

77cm

製作者

 

安置場所

収蔵庫

 

開扉期間

 

解 説

 

私 の 想

 釈迦如来の三尊形式には、薬王菩薩と薬上菩薩の兄弟が脇侍となるのと、普賢菩薩と文殊菩薩が脇侍となるのと二通りの方式がある。

 前者で有名なのは、法隆寺金堂の釈迦三尊像と興福寺仮金堂像がある。仮金堂は、元は日光・月光だったのが、本尊が釈迦如来なので、薬王・薬上として祀られているようだ。

 後者で有名なのは、京都・清凉寺像である。清凉寺像はこの牛伏寺像と同じで騎象像である。ところが、清凉寺像は甲冑を着けており、帝釈天像の可能性もある。騎象の帝釈天像は四例しかないという。何処の像かは調べては無い。

 仏像の業界では、動物に乗っている像を指す場合は、騎○像といい、○に動物を記すのだ。また、尊名で乗る動物が決まっている。乗った動物からも尊名が想像できる。

例 獅子に乗れば、文殊菩薩騎獅像。

  牛に乗れば、大威徳明王騎牛像。

  象に乗れば、普賢菩薩騎象像。

などがある。象の背に乗り、胸の前で合掌している。不思議な象の姿にも見入ってしまう。

 なお、この時代に象など日本に存在していないのであるから、作者も想像で造るしかない。そこで象そのものを見比べるのも面白い。

 牛伏寺像では、耳は筒状で垂れ下がる。鼻は厚みがなく扁平な丸まり方の鼻である。この点では、東京・大倉集古館像も似たようなものである。

 清凉寺像では、耳は筒状だが大きい、鼻は厚みもあり、本物に近い。だが、牙が無い。

いずれも、「帯に短し、襷に長し」の状態で、無い物を想像で造る難しさがある。

 

普賢菩薩騎象像画像一覧その1
普賢菩薩騎象像画像一覧その2
普賢菩薩騎象像
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