仏像名

しゃかにょらいりゅうぞう             

奈良国立博物館制作年代

重文
鎌倉時代

釈迦如来立像(清凉寺式)

様 式

文永十年(1273)

俗称又
は愛称

製作材質

木造、彩色、
玉眼

樹 種

像 高

78cm

製作者

玄海作

安置場所

開扉期間

解 説

 十世紀に中国・宋からもたらされた京都・清凉寺の釈迦如来立像は、釈迦在世中にその姿を写した像として信仰を集め、「清凉寺式釈迦」と呼ばれる模像が多数制作された。
 本像もその一躯で、台座の墨書銘から叡尊(120190)の弟子忍性(12171303)らの関与のもと、仏工玄海が制作したことが判る。薄手の衣を通肩にまとう形式、縄目状の頭髪、同心円状に反復される衣文構成など、根本像の異国的な像容が忠実に再現される一方で、いかにも鎌倉彫刻らしい現実感漂う風貌が、巧みに造形されている。
「なら仏像館 名品図録」より 奈良国立博物館 2010年

私 の 想

 等身大よりも少し小さい像である。全国に沢山ある中では小さい方の部類である。しかし、清凉寺式として私が特徴的な条件としている用件は皆揃えている。
1. 立像である。
2. 通肩である。
3. 頭が羅髪では無く縄目状である。
4. 右手は与願印で左手は施無畏印である。
5. 襟の一部が折れ曲がっている。
6. 胸から腹に掛けての衣文線が同心円である。
7. 股間の衣文線がY字形である。
8. 両脚の衣文線は、さざなみが岸に寄せるように太腿から下に落ちる。
9. 足元の裾ところが3段になっている。
などが条件の中味だが、7.が少し違っている。
 和風に順化した清凉寺式釈迦如来立像になっている。少年のお釈迦様を見る様である。

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釈迦如来立像
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