仏像名

ふりがな じぞうぼさつりゅうぞう

長隆寺
制作年代

    重文
鎌倉時代

地蔵菩薩立像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造 漆箔 彩色
切金文様

樹 種

像 高

177cm

製作者

安置場所

地蔵堂

開扉期間

解 説

私 の 想 い

 この地蔵菩薩像は、鎌倉の円覚寺の長老から贈られたものという。着ている衣装の華やかなことに眼を奪われる。この衣装は田相衣といって、元々はパッチワークと同じように、ぼろ切れを縫い合わせて作った布です。これを袈裟の代わりに着て遊行するのが僧侶の姿であった。古くは奈良時代の奈良・興福寺の十大弟子像も着ています。平安時代の作で国宝のおむすび頭、滋賀・園城寺(三井寺)の智証大師坐像もこの田相衣を着ていました。
 本来は、ぼろ布を縫い合わせた着物であるから、再生品で有ったはずが、鎌倉時代以降、奈良・東大寺公慶堂の地蔵菩薩立像(快慶作)などには、装飾された田相衣になって来ている。時代の豊かさが、僧侶の姿にも現れて来たのでしょう。
 右手は肘をくの字に伸ばし、錫杖を握る。左手は肘をL字に曲げ手の平に宝珠を乗せている。極、普通のお地蔵さまである。しかし、地肌を金箔で表わし、田相衣には、彩色と切金文様で表わした華やかなお地蔵さまに仕上がっています。
 私は、お地蔵さまは貧乏人の味方であり、お金持ちの代表ではないと思っている。煌びやかな衣装のお地蔵さまには、御願いし難いものがあります。お地蔵さまにも貧富の差があるだろうし、お金持ちのお地蔵さまもあって好い。
 貧乏人の嫉妬心からか、ヒガミ根性からか、お金持ちに対する嫌悪感が拭いきれない。どうしても、いろいろなことが、貧富の階級的な争いに見えてしまう。なおのこと、現代の政治での争いは、根本的には、貧富の階級的な闘争であると思って観ています。
 現在では、階級社会という言葉も階級闘争とは余りいうことはありません。しかし、本当は階級闘争なのに、それを言わない者も悪い。

地蔵菩薩立像画像一覧その1
地蔵菩薩立像画像一覧その2
地蔵菩薩立像
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