仏像名

 もんじゅぼさつきしぞう

薬王寺

制作年代

    重文

鎌倉時代

文殊菩薩騎獅像

様 式

 

俗称又

は愛称

 

製作材質

木造

彩色

樹 種

 

像 高

115cm

製作者

 

安置場所

収蔵庫

 

開扉期間

 

解 説

 

私 の 想

 文殊菩薩には、いくつかの役割があり、それによって姿が変わる。

 一つ目は、釈迦如来の脇侍として存在する場合には、左脇侍で向かって右側の位置に、反対に右脇侍の普賢菩薩と共に、釈迦三尊を構成する。この時には、剣と経巻を持っていることが多い。

 二つ目は、獅子に乗った姿の場合には、文殊菩薩騎獅像という。騎士の像を意味し、その後に乗った動物を表わしている。象に乗れば、騎象像であり、牛に乗れば、騎牛像となる。文殊菩薩は、獅子に乗るものと決っている。

 三つ目は、修行中の文殊であり、頭を丸めた姿の場合には、僧形文殊という。修行中で未だ悟りを啓いて如来に成りきっていない姿を表わしている。聖文殊とも云うようです。

 四つ目は、獅子に乗り四人の従者を連れている場合には、海を渡る渡海文殊騎獅像である。三人寄れば文殊の知恵というが、修行中の四人の従者を従えているので、向かうところ敵なしであろう。

 五つ目は、維摩居士との問答をしている姿を表わしたものである。在家の物知り老人である維摩居士と対決している知恵の文殊菩薩である。

 六つ目は、頭の髪の結い方が五つに分かれた結い方をしている。五髻文殊と言う。賢い少年の姿にするようです。

というように、文殊菩薩像には、いろいろと変形した姿の像があるのも面白い。ここの文殊菩薩像は、単独の文殊菩薩騎獅像である。

 右手は肘をL字に曲げて前に出している。手首から先を欠いているので、どのようになっていたかは、想像するしかない。私は剣をまっすぐに立てて握っていたと思う。

 左手は肘をV字に曲げ、手の甲を下にグウを握っている。私はこの手に経巻を握っていたと想像する。冠が高くなっているので、髻が判り難い。脚組みは、普通の吉祥座であるが、組み上がっていない。休めの体形のようである。

 獅子は首を左に振って、大きく口を開け赤い舌を巻き上げている。尻尾が折れて短くなっていて、獅子らしくない。獅子の玉眼が慶派の玉眼の技術に似ているのにびっくりである。前方の変化に一瞬立ち止まって様子を見ている姿の獅子である。小振りの獅子で、少し荷物が重くて可哀相な気もする。

 平成27年5月に第八十八回「仏像観て歩き」いわきとして、訪問しました。

坐像で坐った姿を後ろに回って拝観すると、衣の襞が横三段になっている。はっきりとは見比べてはいないが、確か、運慶作の真如苑の大日如来坐像も円成寺の大日如来坐像も三段の襞だったような気がする。三作品を横一列に並べて比較するのも、素人には無理な事だが、こっそりと写真で見比べるのも方法だ。いずれかの機会に試そうと思う。

 

文殊菩薩騎獅像画像一覧その1
文殊菩薩騎獅像画像一覧その2
文殊菩薩騎獅像画像一覧その3
文殊菩薩騎獅像
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