仏像名

やくしにょらいりゅうぞう

明王寺
制作年代

重文
平安時代

薬師如来立像

様 式

九世紀末〜十世紀

俗称又
は愛称

製作材質

木造、
古色

樹 種

桧一木造

像 高

43cm

製作者

安置場所

収蔵庫

開扉期間

解 説

 この仏像の特徴は一木彫りに共通の総じて肉付きの良い体躯と新月型の眉毛から頬に流れる豊麗なる容顔、大きめの鼻、穏やかな唇、両肩から腕・腰・裾へと衣が織り成す刀法は、彫りが深く立体感があり小像ながら気宇雄大な表現力があります。
 その他、翻波式や茶杓状・Ω状などの刀法は、平安初期の仏像彫刻の特色を良く伝えています。
 優しく微笑み掛けているような表情は、千百年の歳月を経た今でも私たちに、現世利益(病気平癒等)の功徳を与え続けてくれています。
「大聖金剛山息障院 明王寺」縁起より 2012年

私 の 想 い

 薬師如来像での想いでは、昭和40年頃に奈良・元興寺に朝早く訪ねた時の記録に書いている。
 この寺には、Y字形の衣紋の薬師如来立像がある。大安寺と同じ様に、鍬や鎌を持った人達がいた。その人達の一人に寺務所を教わって、寺務所に入って行った。
「薬師さんを拝観に参りました」
というと、おばさんが出て来て。
「おうちの薬師さんは、アメリカにお客に行って、留守してまんねん」
と関西弁で言った。
「ああ、そうですか。アメリカにお客ですか」
と人に見立てて私も言った。
「そうですねん。どちらからお越しですか」
と尋ねられた。
「群馬県からです」
と答えた。
「それは、それは遠くからお越しでんなあ、残念でっしゃろが、堪忍してや」
という。薬師さんに対して、家族の一員として温かく見守っている事が判る。50年も昔のことだが、鮮明に覚えている。あのおばさんもご存命だろうか。

 右手は脇を締め、肘をV字に折り前に出し、手の平を開き指先を上に正面に向ける。左手も脇を締め、肘をL字に曲げ前に出し、手の平を開き、上に薬壷を載せている。
 姿全体の形は、上記の元興寺像に似ているが、むしろ、京都・神護寺像の方に似ている。元興寺像や神護寺像の前に立つと、強いお顔に圧倒されてしまって、日頃の反省とお叱りを受けているようで怖い。ところが、こちらのお薬師様は、気さくにお願いが出来るようなお方であるとおもいます。

薬師如来立画像一覧
薬師如来立
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