仏像名

ふりがな  あみだにょらいざぞう

法界寺
制作年代

国宝
平安時代

阿弥陀如来坐像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造
漆箔

樹 種

像 高

280cm

製作者

安置場所

本堂

開扉期間

解 説

平等院鳳凰堂の本尊に最も近い、定朝様式の典型的なすぐれた仏像で、寄木造、漆箔、八角九重の蓮華座の上に飛天光背を背にして坐る。
 丈六、上品上生印(弥陀定印)の像で、穏やかな慈容に流れるような、衣文をたたんで薄い衣をまとい、弘仁、貞観期の神秘的な表情とは異なった、円満豊麗な藤原時代阿弥陀仏を代表するものである。
 光背は透かし彫りの飛天光、天蓋も簡素ながら当初のものと思われる。
「法界寺」縁起より

 法界寺阿弥陀堂の本尊阿弥陀如来の像である。この像を見ると、まさに定朝作の阿弥陀如来像をそのまま写したものという感じが深い。当時の記録を見ると、盛んに定朝仏を写すという記事が出て来るし、その寸法を正確に測り、定朝そっくりの像を制作する事は、当時の仏師達の修行の一つにさえ、なっていたのである。
「日本の彫刻」 久野健編 吉川弘文館 1968年より

 長承三年(1134)、仏師院朝が西院にあった故邦恒朝臣の堂におもむき、そこにあった有名な定朝作の丈六如来像の寸法を計測したが、それは目、鼻、口、耳などの細部である。
 法界寺像もこのもとのように、従って造られているが、定朝作平等院阿弥陀如来像と比べると、一層繊細な趣を増している。
 その細く見開いた慈悲深い眼差しに接した藤原貴族は、弥陀の来迎もかくやと感動したことであろう。
「京都の仏像」 淡交社 1968年より

私 の 想

上品上生の印を結び、二重円形光背で更に外側は、火炎の内に飛天が透かし彫りになった光背を着けている。
 光背の炎が最も昇り詰めたところに天蓋がある。天蓋も蓮弁を着けている。飛天は左右に七体ずつあり、14体の飛天が炎に煽られて舞う。
 光背を後ろから観るのも初めての体験だ。神社の鳥居状に支柱を組んで、光背を支えている。飛天は光背にも、外側の欄間の壁にも、乱舞している事になる。
 蓮華座の蓮弁は、縦に4枚、横に14枚の56枚をたがいちがいに、九重に重ねて並べている。
 丸お顔の福与か阿弥陀さんである。

阿弥陀如来画像一覧その1
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阿弥陀如来坐像
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