古寺巡礼
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仏像観て歩き 京都編1

名  称

ふりがな

ほうかいじ

法界寺

俗称又は愛称

伏見区日野西大道町20

最寄駅

開  祖

沿  革

この寺は、藤原氏の北家にあたる日野家の菩提寺で、弘仁十三年(822)、藤原家宗が慈覚大師円仁より贈られた、伝教大師最澄自刻の薬師如来の小像をお祀りし、その後永承六年(1051)、日野資業が薬師如来像を造って、その小像を胎内に収め、薬師堂を建立して寺とした。
 当時は観音堂、五大堂等多くの堂塔が立ち並んでいたが、今では本堂と阿弥陀堂を残すのみとなった。一般には日野薬師、乳薬師として知られている。
「法界寺」縁起より

 法界寺の阿弥陀堂は、正方形の堂内に阿弥陀如来像一体だけを安置し、その周りを念仏唱えながら、廻れる様になっている。
 これが平安後期に流行した阿弥陀堂の基本的な形式で、これを基礎にして様々な形の阿弥陀堂が造られた。しかし、阿弥陀堂の形は変わっても、堂の中心に安置される仏像は、必ず定朝様の阿弥陀如来像である。
「京都の仏像」 淡交社 1968年より

私の想い

法界寺は親鸞上人の生まれた、日野家の菩提寺であり、子供の頃に親鸞さんが遊んだ阿弥陀堂に今、私も坐っている。
 この阿弥陀堂は真四角の建物に特徴があると説明があった。真中に丈六の阿弥陀如来が座り、大相撲の土俵の様に四隅に柱が立つ。四本柱には、それぞれ仏像が描かれ、極楽浄土を演出している。
 更にその柱の上に仕切られる四面の欄間には、東西南北、一方向三分割して、全部で十二面の壁面になる。その内の十面に飛天を描き、残る二面に楽器を描いているという。更に更にその上の阿弥陀様の真上には、蓮弁をあしらった天蓋が彫刻されている。
 四本柱の内側に現世の極楽浄土を造っている。四本柱の外側の、板の間を右回り(時計回り)に廻って、「南無阿弥陀仏」を唱えて廻ると、中に居る阿弥陀さんの処に行けると思って祈る。この光景を親鸞上人は子供の頃から見ている。
 宇治の平等院もこの寺も極楽浄土を堂内に描いて、現世に見せる場所となっている。今まで廻った寺では、本尊の脇に脇侍が居たり、四天王や梵天、帝釈天が居たりする。

 浄土宗、浄土真宗は阿弥陀如来の他の仏様は必要無いという。滋賀県の時にふれた真言宗、天台宗の件と、旅の最初に訪れた直江津の五智国分寺の親鸞上人上陸の地が、ここに来てつながって来た。
 法然さんが浄土宗(智恩院が総本山)を起し、更に親鸞さんが浄土真宗(東西本願寺)を起こして、真言宗(空海)や天台宗(最澄)に対抗して、布教活動をしたのだろう。
 片や支配階級を中心にした仏教集団(守旧派勢力)対、教義、原則、形式、建物、仏像等よりも、先ずは、「南無阿弥陀仏」を唱えれば、死後、極楽浄土に行けるという新興宗教集団(革新勢力)が激しく対決した時代である。
 新興宗教集団が民衆の心と信仰を拠り所に伸びて来た。守旧派は滋賀県内でも虫食い状態にされて、浄土宗、浄土真宗が多くなって来た。
 最初の軋轢が法然や親鸞に対する排他的な報復であり、親鸞さんは、佐渡への島流しであり、帰郷後の反撃が、その後の広がりにつながる。そんな話を住職から聞く。
 この状況は現代の小売業のホームセンターが全国展開で凌駕して行く姿に似ている。地方都市に燎原火の如く、あっちこっちで燃え上がり、紛争を起こしながら拡がって行く。守旧派の金物店と新規参入の新販売方法のホームセンターの戦いが、拡がる。
 旧来の販売方法や在庫管理では、最初から勝負の行方は着いたも同然である。次々に金物店が廃業する傍らで、ホームセンターの大型化が進み、1975年以来今日までの30年間で、ついに全国を凌駕してしまう。
 ここの阿弥陀池には牛蛙が住んでいる。時折、「うー、うー」と鳴く。平和な時が流れる。

法界寺画像一覧

法界寺の写真がたのしめます。

法界寺所蔵仏像

阿弥陀如来坐像 薬師如来立像
十二神将子 十二神将丑 十二神将寅 十二神将卯
十二神将辰 十二神将巳 十二神将午 十二神将未
十二神将申 十二神将酉 十二神将戌 十二神将亥
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お礼とお詫びとお断り
当寺の記述を最後まで、ご覧頂きまして誠にありがとうございます。
厚く御礼申し上げます。下記の通り、お詫びとお断り申し上げます。

1.        仏像の写真を紹介出来なかった事です。勝手に掲載しませんでした。
2.        絵葉書、仏像解説書、国宝写真集等々で、有名な仏像については、ご覧になれる機会は多いと思います。
3.    それ等をご覧になりながら、もう一度ここにお越し下さい。 また、別の仏像の楽しみ方が出来ると思います。

4.        ここでは、国宝と重要文化財の指定を受けている仏像を紹介しております。
5.
   「国宝・重要文化財大全」彫刻 毎日新聞社 1998年より選定しました。
6.        像高も上記大全のものを小数点以下切捨てで、記載しました。寺や解説書等と多少違うかも知れません。
7.        掲載した「沿革」と「解説」は寺から頂いた資料や手持ちの解説書からのものを掲載しております。

8.        一番は、実際に寺に行ってご覧になることです。
9.    一つでも好きな仏像を決めて、訪ねると一層「仏像観て歩き」が楽しくなります。      以上


飛天と雲中菩薩の考察