古寺巡礼
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仏像観て歩き 奈良編2

 名  称

かいりゅうおうじ

海龍王寺


俗称又は愛称

奈良市法華寺町897

最寄駅

開  祖

沿   革

当海龍王寺は古くは隅院、隅寺と称し縁起によれば天平三年(731)光明皇后の御願により建立された寺院である。養老元年(717)第八次遣唐使一行に加えられて、渡唐した僧玄肪は在唐十八年、智周大師について法相の教学を極めた。
 天平六年十月帰国の途中船団は暴風雨に襲われ、玄肪の乗った船だけが辛うじて種子島に漂着し、翌天平七年三月帰京する事が出来た。この時に玄肪が持ち帰った五千余巻の経論が後に我が国の仏教学に大きく貢献する事になったのである。
 東シナ海の狂瀾怒涛に漂いながら海龍王経を唱え、九死に一生を得て貴重な経論をもたらした玄肪は、その功により僧正に任ぜられ、平城京皇后宮の東北隅に位置する事で隅寺(角寺)とも言われていた当寺に住して、寺号を海龍王寺とした。
 その後の沿革は、余り明らかではないが、鎌倉時代に西大寺の興正菩薩叡尊が当寺を中興し、正応元年(1288)三月に殿堂坊舎を修造し、新たに経蔵を建立していることが知られる。同三年七月には舎利塔を造顕し、また鎌倉中期製作の仏像仏画も多く伝えている。
 これらのことから当寺は鎌倉時代には律法中興の道場として繁栄していたようである。延文元年(1356)五月の古絵図によれば、境内は東西六十八間、南北六十五間とあって、なお、平城京のほぼ一坪の寺域を占めており南面する金堂の前方に向かい合って東西両金堂、金堂の後ろに講堂、その背後に食堂とも思われる堂、講堂の東西に東室・西室、東金堂の東南に一切経蔵、東に大門及び楼門その他諸堂が描かれており、ほぼ奈良時代伽藍の規模を伝えていた事が知られる。
 また、同時代の物と考えられる指図には、西金堂内中央に五重小塔の書き込みがあって受戒の儀式の次第が詳細に記されており、戒律の道場としての様相がうかがえる。
 その後これ等の堂舎は次第に衰退して、現在の本堂を中心に指定建造物で奈良時代の西金堂と正応元年の経蔵との二棟を伝えるのみとなっている。
「海龍王寺の概要」より

 平成17年5月の「仏像観て歩き」2で訪問した時には、次のように書いている。
秘仏の十一面観音立像があり、公開中というので拝観する。長い間秘仏というので、やはり、保存が良い。
 若い人向きの美人な十一面観音である。今日が始めての出会いであり、これからどんな展開になるか、想像も付かない。鎌倉時代の終わり頃の作品で、装飾品で着飾られている。好みの違いはあるのだろう。もう少し時間を下さい。いずれ、十一面観音は皆、好きになるのですからと言って、帰って来た。
 今日の巡礼は、海龍王寺と興福寺となっている。まず、海龍王寺に行き、秘仏の十一面観音立像に再度、お逢いしに来た。
 平成22年11月に遷都1300年「仏像観て歩き」として訪問した時には、次のように書いている。
 ここ何回かは法華寺とセットで訪問しているが、大阪八尾市に住んでいた頃には訪問したことはない。はっきりと言い切ってしまうほど私の中では影が薄い寺である。それともう一つ云ってしまうと、門構えが私にアピールしないのかも知れない。
 しかし、ここ何回かセットで訪問する内に、横に張った庭の松の木が気になるようになってしまった。そのお陰で行く度毎に、松の木の写真を撮って来る。もう一つ気になることがある。ここの土塀は、どうして瓦がサンドイッチ状になっているのだろうか。その構造上も強度上も景観上も私の中では解明されないままになっている。
 もしかすると、そのことが解明されれば、訪問回数が増えることになるかも知れない。

海龍王寺画像一覧その1
海龍王寺画像一覧その2
海龍王寺画像一覧その3
海龍王寺花華一覧その1
海龍王寺花華一覧その2
海龍王寺所蔵仏像
十一面観音立像 文殊菩薩立像
海龍王寺に戻る
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1.        仏像の写真を紹介出来なかった事です。勝手に掲載しませんでした。
2.        絵葉書、仏像解説書、国宝写真集等々で、有名な仏像については、ご覧になれる機会は多いと思います。
3.    それ等をご覧になりながら、もう一度ここにお越し下さい。 また、別の仏像の楽しみ方が出来ると思います。

4.        ここでは、国宝と重要文化財の指定を受けている仏像を紹介しております。
5.
   「国宝・重要文化財大全」彫刻 毎日新聞社 1998年より選定しました。
6.        像高も上記大全のものを小数点以下切捨てで、記載しました。寺や解説書等と多少違うかも知れません。
7.        掲載した「沿革」と「解説」は寺から頂いた資料や手持ちの解説書からのものを掲載しております。

8.        一番は、実際に寺に行ってご覧になることです。
9.    一つでも好きな仏像を決めて、訪ねると一層「仏像観て歩き」が楽しくなります。      以上