仏像名

ふりがな もんじゅぼさつりゅうぞう

中宮寺
制作年代

    重文
鎌倉時代

文殊菩薩立像

様 式

文永六年(1269)

俗称又は愛称

製作材質

紙製、玉眼
彩色

樹 種

像 高

53cm

製作者

安置場所

開扉期間

解 説

頭を五髻とし、右手に利劒、左手に経巻を持って立つ姿である。金胎両部次第・法華経・施餓鬼法・消息の断簡などを巻いて芯として体躯や腕などの骨組みを造り、その上から反故紙を幾重にも貼り重ねて造った、いわゆる一貫貼りになる像形をかぶせて造った、余り他に例を見ない紙製像である。
 胸部に納めた舎利の包紙に「もん江い六ねん七月十二日信如」と言う年配のある願文が墨書されている。恐らく信如尼をはじめとする多くの尼僧達が、菩薩への思慕を胸に、一枚一枚に心を込めて貼っていった光景がしのばれる。
 小像である上に、いかにも可憐な顔立ちは、「その智恵童子の如く清純にして執着なき素性を示す」といわれる文殊菩薩の性格をそのままに表わしている様である。
 紙で仕上げた上に、手足には木製のものを嵌め込み、眼と白毫には水晶を嵌入し、漆を塗り、彩色・截金を施している。
「特別展 鎌倉時代の彫刻」 東京国立博物館 1975年より

私 の 想 い

 紙で出来ているということが珍しい。尼寺に相応しく智慧の文殊菩薩の坊やを、モデルにしているところが面白い。
 賢い坊やを育てる気持で、製作したのであろう。

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