仏像名

ふりがな やくしにょらいざぞう

影向寺
制作年代

重文
平安時代

薬師如来坐像

様 式

俗称又は愛称

稲毛薬師ともいう

製作材質

木造、彩色

樹 種

像 高

138cm

製作者

安置場所

収蔵庫

開扉期間

解 説

 欅一木造り・像高139センチ/平安時代後半/国指定重要文化財
日本に伝わった仏教は次第に日本人の生活に浸透定着し、それとともにきょうぎ仏像も和様化し、彫刻的には十一世紀に「定朝」が出て和様彫刻を完成させた。
 この定朝様式は広く人々に迎えられ、今日全国に多く作例が残る。この像も定朝様の洗練さと、前身の像がもっていたであろう地方的な力強さとが、うまく調和した十一世紀後半の名作である。
「古刹 影向寺」より

 頭と体幹部をケヤキの一材で彫り、肘先や脚部は別材を継いでいる。堂々とした体躯は平安中期頃の作を思わせるが、衣文が浅く形式化しており、制作は十一世紀後半頃とされる。
「ふるさとの仏像をみる」 内田和浩 著より

私 の 想 い

 右手は脇を少し開けて、肘をL字に折って前に出し、手首を返し手の平を正面に向け、施無畏印である。左手は脇を締め肘を左太腿に着け、手の平を上に向け薬壷を載せる。
 足首が何処に行ったのかと思うほどに奥のほうで、両脚の裏が平面的に両太腿の上に、真横に拡がる。吉祥坐なのか降摩坐なのかは判然としない。
 彫眼の目は、横一文字に刻まれ、半円に刻まれた眉との間が広く空く。大きな眼と眼光の鋭さが想像される。
 横一列に並んだ四段の螺髪は、帽子を冠ったように見える。多くの如来の螺髪は、鉄兜を冠ったように丸く仕上げのことがある。ところがこの方の螺髪は、丸くなく帽子のようである。
 手の平の大きさや腕の太さで両方が違う。いずれも右手が大きいし、ごつい。施無畏印である。正面に向けた手の平には、生命線も幸運線も刻まれていた。

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