魅惑の地方仏
京都や奈良の仏像は大変すばらしいものがあります。ですが、地方には地方なりのステキな特色を持ったほとけさまが多くいらっしゃいます。
ここ信州松代の清水寺でも、そんなステキなほとけさまが「あなた」を出迎えてくれます!
ぜひお参りしてみませんか?
清水寺は、古より度重なる火災に見舞われてきましたが、幸いにして当時の人々の力により、本尊千手観音を始めとした一部の仏像は火難を免れることができました。残念ながら火にまかれ、修復すらままならない仏像も多く残っております。
本尊千手観音、聖観音、地蔵菩薩の三躯は、昭和十二年に国宝に指定され、其の他の毘沙門天、薬師如来、四天王等の諸尊像も亦これに準ずる重要文化財として推称されております。
現在、本尊千手観音、聖観音、地蔵菩薩の三躯は、昭和二十一年に重要文化財に。薬師如来、毘沙門天、四天王はそれぞれ県宝・市宝に指定されております。
殊に、本尊千手観音、聖観音、地蔵菩薩の三尊は平安初期(九世紀)の作で、何れも千年有余の星霜を経、就中、千手観音像は、信州現存の国宝中最古最優の仏像として嶄然頭角を抜き、当時の信州の造像技術の高さを証明しており、関東、中部、北陸、東北を睥睨(へいげい)するものとして、推賞されております。
「信州松代 北信濃厄除大師 清水寺」ホームペヘジより 2014年3月
信州の古刹、清水寺は、諸所の厄災をことごとく消徐する厄除大師として、古来より弘法大師をお奉りし北信濃厄除大師として親しまれてきました。宗派は総本山を奈良の長谷寺とする真言宗豊山派です。
開山は今から1200年ほど前、延暦22年(803)覚空上人が開山したと云われ、坂上田村麻呂が遠征に向かう際に、戦勝祈願の為に建立されました。
往時は五重塔・金堂・書院・回廊等を備えた壮麗な伽藍を有した寺院でした。火難により一時衰亡に瀕していましたが、川中島合戦の折に、武田信玄公より供料を給わり伽藍を再建しました。依って武田信玄公が中興開基となり今も厚く弔っております。
江戸時代に入り、徳川家の祈祷寺として供料を給わりました。その後、正徳年間(十八世紀初)の火難により善美壮麗を尽した堂塔伽藍は悉く焼亡しました。
享保年間(十八世紀初)、十二原から少し里に下った現在地に仮堂を建立し、火難を逃れたほとけ様とともに移転しました。
火難を逃れた仏像群はいずれも平安時代初期の一木造りの仏像で、像高がほぼ等身大の迫力のある木造仏は、東日本最古のほとけさまです。
本尊千手観音をはじめ聖観音・地蔵菩薩の三体の木造仏が昭和十二年に国宝に指定され、戦後、重要文化財に再指定を受けました。
他にも薬師如来が県文化財、毘沙門天像が市の文化財の指定をうけています。現在まで至っております。
松代にお越しの際には、ぜひお参りください。ご来山を心よりお待ち申し上げます。
「信州松代 北信濃厄除大師 清水寺」縁起より 2014年3月
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