仏像名

ふりがな 11めんかんのんりゅうぞう

道明寺
制作年代

国宝
平安時代

十一面観音立像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造
素地

樹 種

ヒノキ

像 高

99cm

製作者

安置場所

本堂

秘 仏

開扉期間

毎月 18日・25日 開扉

解 説

檜の一木造り。素地の木肌の美しさを活かして、すぐれた技術で丹念に造り上げられた観音像。
 おだやかな顔も、おだやかな姿態も、おだやかな肉付けも、すべてすぐれた彫刻としての美しさを持っている。平安中期の檀像風彫刻の代表作。
 道明寺に有名な檀像風の十一面観音像を見に行ったのも同じ頃(四月)である。この像を拝んでまっさきに感ずることは、すばらしい仏師の技術に依って、この像が刻まれているという事である。
 森厳な顔の表情も、弾力のある体躯も、それに纏い付いている天衣も、瓔珞も、いかにも仏師の一刀三礼の技術で刻み込まれている感じである。
 こういう点から見ると、国宝六体の十一面観音像の中で、この一体は特殊である。男性でも、女性でもなく、まさに観世音菩薩である。十一の仏面から蓮台まで檜の一木で刻まれてある。
「十一面観音」 著者 井上 靖 1993年より

私 の 想 い

 装身具を身に着けた十一面観音像であり、薬師寺の月光菩薩像にもそうしたところは似ている。あるいは、法隆寺の九面観音像にも似ている。また、法華寺の十一面観音像に大きさや手の具合は、全くと言って好いほど類似している。
 何処か檀像彫刻の匂いがする彫法である。法隆寺の九面観音は銅造鍍金であるが、木彫で細かい彫法を施している。異国的な感じの仏像である。
 右手は脇を開けて、肘をくの字に折って指先を、下にして手の平を正面に向ける。人差指を伸ばし、中指と薬指を曲げ曲げた指に数珠を掛けて持つ。小指は伸ばしている。
 左手は脇を締めて、肘を折って前に出し水瓶を持つ。親指と中指で水瓶の注ぎ口を掴み薬指と小指も中指に準じて折曲げている。
 胸から腹にかけて引締った身体をされている。腰のところで一気に大きくなる体型は、女性美を強調するところである。また、左肘が左腰に着く位腰骨が大きく刻まれている。
 右足の膝がわずかにふくらみ、衣が浮いた形になり黒く光りしている。5段蓮弁の蓮華台に立つ。

十一面観音立像1画像一覧その1
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十一面観音立像1
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十一面観音の考察