仏像名

ふりがな じぞうぼさつりゅうぞう

覚園寺
制作年代

重文
鎌倉時代

地蔵菩薩立像

様 式

俗称又
は愛称

黒地蔵と呼ばれる。

製作材質

木造、彩色
切金文様、玉眼

樹 種

像 高

170cm

製作者

安置場所

薬師堂

開扉期間

解 説

 全身が黒色に覆われていることから、通称「黒地蔵」の名で親しまれる地蔵菩薩像。8月10日にとり行なわれる黒地蔵盆の本尊である。
 頬に張りがあり、目鼻立ちもはっきりとして、その表情は力強い。また、納衣に表された襞は質感豊かに彫り出され、装飾性に富んでいる。鎌倉地方に残る地蔵菩薩像の中でも優れた出来栄えを示す。
「日本の仏像 高徳院鎌倉大仏と鎌倉の古仏」より 講談社 2007年

私 の 想

 玉眼の眼が怪しく光る。右手に錫杖をもつ。左手に宝珠を載せる。胸から足元まで波を打つように下に向って衣文が流れ落ちる。
 平成21年12月に第二十四回「仏像観て歩き」で訪問しました。その時には、次のように書いています。
 この日は、秋の小春日和の日であったが、昼を過ぎたばかりというのに、お堂の中の黒地蔵像のお顔をはっきりと見ることが出来ませんでした。お堂の中でお眼だけが、光っており怪しい光に観えた。冬至に近い頃の光では少なく、お堂の中の方までは昼といえども見えないのだろうか。
 このお地蔵様は、何処か雰囲気の違うところがある。最初は何が違うものにしているのか判らなかった。今回でその正体が判りました。額である。額の隅を深く切り込んで額を広くしている。一時期若者の間で流行った額を青く剃り上げたあれである。
 鎌倉時代にすでにその筋の剃り込みがあったのである。怪しい眼光といい、睨みは十分である。いや、重文である。いずれ何処かでお会いすることを期待してお別れしました。

地蔵菩薩立像画像一覧
地蔵菩薩立像
覚園寺に戻る
覚園寺所蔵仏像
薬師如来坐像 日光菩薩坐像 月光菩薩坐像
地蔵菩薩立像
覚園寺に戻る


地蔵菩薩の考察