仏像名

ふりがな 11めんかんのりゅうぞう

称名寺
制作年代

重文
鎌倉時代

十一面観音立像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造、彩色、
玉眼

樹 種

像 高

193cm

製作者

安置場所

開扉期間

解 説

 称名寺には称名寺絵図に描かれた堂宇の本尊に該当するもの以外にも、多数の仏像が伝来する。このうち規模も大きく注目されるのが、かつて称名寺の東隣にあった海岸尼寺(海岸寺)本尊であった十一面観音像とその両脇侍の不動・毘沙門天立像の三躯である。
 これらの像は、鎌倉時代後半に海岸尼寺が、称名寺を補完する尼寺として、おそらく金沢北条氏所縁の女性(一説に顕時夫人)によって創建された時に造像されたと見られる。
 十一面観音像は右手に通常の数珠ではなく錫杖を執る、大和・長谷寺本尊に端を発するいわゆる長谷寺式十一面観音像であったことが近年指摘されている。
 またこの長谷寺式十一面観音像を本尊とする、長谷寺観音信仰自体が、清凉寺式釈迦如来像の造立とその信仰と同じく、真言律宗を中心とする中世律宗によって広められたとされている。
「金沢文庫の仏像」より

私 の 想

 右手は脇を少し開けて肘をくの字に曲げ、下に降ろし手の平を正面に向ける。指先を下に親指を内に折り、中指は内に、人差指、薬指、小指はそのまま延ばしている。
 左手は脇を締めて肘を直角に折り、前に出し五指で水瓶を握る。天衣は右肩から腋の下肘の内側を通り、腕に巻き付き手の甲で終える。左肩から降りた天衣は腋の下を通り、左腰で折り返して腕に絡まる。
 前かがみに立ち、顔もうつむき加減である。眼もうつろに淀む。「考える十一面観音」さんと名付けよう。
 すっくと立つ十一面観音さんが多い中で、前かがみの十一面観音さんは、貴重な存在である。

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