仏像名

ふりがな　しゃかにょらいりゅうぞう

称名寺
制作年代

重文
鎌倉時代

釈迦如来立像

様　式

徳治三年(1308)

俗称又
は愛称

製作材質

木造、素地、切金文様、

樹　種

像　高

１６０ｃｍ

製作者

院保作

安置場所

開扉期間

解　説

　この講堂に安置されたと考えられるのが釈迦如来立像である。像内銘文から、造営に先立つ徳治三年(1308)七月、当時六波羅探題南方の職にあった金沢北条氏三代貞顕を願主として、仏師院保により製作されたことが明らかである。付随する十大弟子像もほぼ同じ頃に造像されたものだろう。
　本像は、寛和二年(986)に入宋僧�｢然が彼の地で造立し、請来した京都・清凉寺の本尊釈迦如来像を模刻した、いわゆる清凉寺式釈迦如来像である。
　縄目状の頭髪と、大衣を両肩に懸け通肩とし、同心円状に弧を描く衣文を見せるところに造像されたものだろう。その特色がよく現れている。また、面貌は原像に忠実とも言える異風なもので、奈良・西大寺や鎌倉・極楽寺などの十三世紀後半の善派による、当時の鎌倉彫刻の特色が現れた清凉寺式釈迦如来像とは一線を画すものとなる。
　その造像の目的は徳治三年が北条実時の三十三年忌、その子顕時の七回忌にあたることから、両者の年忌供養のためと考えられるが、すでにこの頃、貞顕に称名寺伽藍再興の素意が芽生えていたとも考えられよう。
「金沢文庫の仏像」より

私 の 想 い

　清凉寺式釈迦如来立像がここにもある。西大寺の興正菩薩叡尊さんの影響を受けて、模刻による釈迦如来立像である。
　東国の鎌倉にも奈良、京都の仏教界が現れている。仏像の造像にも都の仏師が当代の人気像の制作をしている。
　清凉寺の模刻が西大寺である。西大寺の末寺の称名寺は西大寺像を模刻したのだろう。つまりは、孫に当たる。清凉寺も西大寺もまだまだ異国的な表情がうかがえる。
　しかし、孫になると純国産のお顔になっている。三代でようやく日本に馴染んで来たということになる。