仏像名

ふりがな 11めんかんのんざぞう

法金剛院
制作年代

重文
鎌倉時代

十一面観音坐像

様 式

正和五年(1315)

俗称又
は愛称

製作材質

木造 金泥 玉眼、切金文様

樹 種

像 高

70cm

製作者

安置場所

開扉期間

解 説

 定朝の流れを受け継いだ優雅で貴族的な作風の「院派」の作。四臂と珍しく、70センチと小ぶりな像の中には願文、摺り仏、曼茶羅などが納められている。厨子入り木造、金泥、切金、玉眼。鎌倉時代。
「一個人 京都の仏像」より KKベストセラーズ発行 2009年

 鎌倉時代 坐像で四手の十一面観音菩薩は珍しい、仏身は粉溜塗で、鳳凰の盛上彩色文や切金文がある。瓔珞はおびただしい荘厳である。
「律宗 五位山 法金剛院」縁起 少冊子より 2009年

 日本では珍しい四臂の十一面観音像。錫杖と蓮華、数珠と水瓶を持ち、全体を瓔珞で飾る。銘文や納入品から、造立に関わった16人の院派仏師や、律宗僧を含む一万三千人の結縁者の名が確認された。
 法金剛院を復興した円覚上人3回忌の追善仏と考えられる。
「日本の仏像 仁和寺阿弥陀三尊と御室」より 講談社 2007年

私 の 想 い

 平成21年10月に京都・滋賀「仏像観て歩き」を「仏像観て歩き研究会」の仲間と一緒に拝観旅行を行いました。
 右手の第一手は肘をV字に折り、手の平を開いて親指と人差指に挟んで、錫杖を立てて持つ。第二手は、肘をくの字に曲げ、吉祥坐に組んだ右膝と並んだ脇に、掌を上に五指で数珠を握る。
 左手の第一手は肘をV字に折り、キツネの指形で蓮華の蕾の茎を持つ。第二手は、肘をくの字に曲げ、小指を浮かせた四指で水瓶を立てて持つ。
 上記のように四臂の十一面観音像で珍しい。時代が新しくなると、時代の要請で十一面観音様にかかる期待と機能が多くなり、いろいろ持仏も多くなる。ならば、千手観音にすればとなるが、変化も欲しい。最小限に増やした手も欲しい。多様化である。
 落ち着いた雰囲気の十一面観音坐像である。

十一面観音坐像画像一覧
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