仏像名

にょいりんかんのんはんかぞう

岡寺
制作年代

    重文
奈良時代

如意輪観音半跏像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

銅造
鍍金

樹 種

像 高

16cm

製作者

安置場所

開扉期間

解 説

 岡寺の本尊如意輪観音坐像(塑造)の胎内仏と伝えられる。榻(とう)と呼ばれる円筒形の椅子に座り、右足を曲げて足首を左足の上に乗せ、右手指を軽く頬に添えた、いわゆる半跏思惟の姿である。
 寺伝では如意輪観音と言われるが、当時の通例からすれば、おそらく弥勒菩薩として造立されたものであろう。半跏思惟形の仏像は七世紀を中心に、日本でも盛んに造立されたらしく、今日でも数多くの作例が残る。
 本像の場合、宝冠の意匠や、台座の蓮弁に子弁があり、その先端が強く反り返る形などに前代までの古様が認められる。
 しかし、胸を厚く造って上体に量感を持たせ、腹部を引締めつつ、腰にかけて丸みのある肉付けを施している点や、必ずしも定式に捉われない自然な流れの衣文の造形などに、新しい時代の要素を見る事が出来る。
 また、目鼻立ちがおぼろげで優しく親しみのある面相や、すっくと背を伸ばした端正な姿などは、七世紀までの日本の彫刻に余り見られなかったものである。
 奈良時代、八世紀に入る製作と考えられるゆえんである。全体は一鋳になり、底部から榻座の上部まで中空に作られ、台座の下端近くの側面の四方に小孔が開けられている。この台座下部の造りからすると、当初は、今の台座の下に更に大振りの台座が、取り付けられていたのかも知れない。
 なお、像は大部分が煤けたような黒色をしている事から、いつの頃か火中した可能性が指摘されている。
「特別展 大和古寺の仏たち」 1993年 東京国立博物館より

私 の 想 い

 塑造の大如意輪観音像の胎内仏として、あったものである。朝鮮から伝えられるこの手の半跏思惟像がこの時代には多い。特に広隆寺にはこの手の半跏思惟像の銅像がある。
 右手は肘を半跏に組んだ右足の膝に着き、人差指と中指を右頬に着ける。左手は半跏に組んだ右足の足首に手の平を乗せている。
 微笑を讃えたお顔のやさしい銅造である。

如意輪観音半跏像画像一覧その1
如意輪観音半跏像画像一覧その2
如意輪観音半跏像
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如意輪観音の考察