仏像名

ふりがな じごくてんりゅうぞう

黒石寺
制作年代

    重文
平安時代

持国天立像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造、
彩色

樹 種

ケヤキ

像 高

162cm

製作者

安置場所

開扉期間

解 説

 本尊・薬師如来を囲む四天王の一体。増長天とともに本尊とほぼ同時期の作とされる。下半身のボリュームに比べ、小さな頭部と細身の上半身が特徴。
「日本の仏像 勝常寺薬師三尊とみちのくの仏」より 講談社 2008年

 黒石寺は貞観四年(862)像内銘がある薬師如来坐像を本尊とし、四天王のうち持国天・増長天像もほぼ同時期に制作されたものとみられる。残る広目天・多聞天像はやや遅れて制作されたと言われるが、さほど大きな年代差を考える必要はなかろう。
 持国天・増長天はケヤキ材、広目天・多聞天はカツラ材の各一木造り(広目天は両肩先まで一材から彫出)で、腰以下に内刳を施す。邪鬼は各後補。

 持国天・増長天は腰を強く捻るなど動きが大きく、広目天・多聞天は比較的直立性が強い。こうした傾向は勝常寺の四天王像(多聞天像は両腕後補だが、当初とみられる左腕が別に保存される。) にも伺うことができ、ともに奈良時代以来の伝統的な四天王像の系譜上に位置付けることができよう。
特別展「平泉 みちのくの浄土」展より 世田谷美術館 2009年

私 の 想 い

 平成21年3月に世田谷美術館で開催された特別展「平泉 みちのくの浄土」天を第十六回「仏像観て歩き」として、拝観することになりました。
 この時には、次のように書いております。
 右手は肘を肩の高さに横に上げ戟を握る。左手は肘を横に張り、左腰に手の平を当てて構える。邪鬼の左の顔を右足で踏みつけている。
 邪鬼の足についてどうなっているかを調べるのも四天王像の楽しみの一つである。像全体がどうなっているかも関心のあるところだが、私は邪鬼の足の形がどうであるかも関心がある。また、邪鬼と主人との関係がどうなっているのかも観て見たいことである。
 これは踏まれている姿にも関係があるし、どの位従順か、どの位反抗か、親しみ度合いも判ることがある。
 足については、偶蹄目の二つ爪である。偶蹄目の牛や山羊と同じ爪の形である。この形は、四天王の邪鬼には一般的である。
 踏まれている形では、丸まっていて、体もふっくらとして太っている。熊か縫いぐるみを踏んでいるようである。
 古い資料を調べて判明したことは、どうも以前の写真と現在の姿が違うのである。右腕の修理をしているのではないかと思う。

持国天立像画像一覧その1
持国天立像画像一覧その2
持国天立像
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黒石寺所蔵仏像
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持国天立像 増長天立像 広目天立像 多聞天立像
僧形坐像(伝慈覚大師円仁)
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四天王の考察