仏像名

ふりがな ほうかいくうぞうぼさつざぞう

神護寺
制作年代

国宝
平安時代

法界虚空蔵菩薩坐像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

木造
彩色

樹 種

像 高

99cm

製作者

安置場所

多宝塔

開扉期間

解 説

数ある神護寺の寺宝の中でも本尊の薬師如来像と並ぶ名宝が、多宝塔内の五大虚空蔵菩薩像である。向かって右から3番目が法界虚空蔵菩薩(白色)で、薄い乾漆の上に胡粉彩色した1m前後の坐像の居並ぶ姿は誠に麗しい。
 神護寺略記の宝塔院のところに五大虚空蔵菩薩の記述がみられ、この宝塔は空海の後を継いだ真済が、承和三年(836)から同十二年にわたって造営しているところから、この五大虚空蔵も同時期の造立と推定できる。
 太づくりのがっしりした姿や横幅の広い顔、盛上がるような両膝に豊かな量感がこもっている点などが、観心寺の如意輪観音像と似通っており、そこはかとなき官能の美、豊潤な香気を漂わせる作風はともに貞観時代密教様式の最高峰をゆくものである。
「高雄山 神護寺」より

 観心寺如意輪観音像とすこぶる近い様式を示す密教諸像中の傑作である。初期の密教像を制作した仏師は、天平乾漆像の流れに属していたらしく、表面の仕上げに乾漆を併用する事が多く行われている。
「日本の彫刻」 久野健編 吉川弘文館 1968年より

私 の 想

 この法界さんだけが右手の印相が違う。上品印の下生の形を採る。脇を少し開けて、肘を折って前に出し、上品下生印である。
 左手は、三鈷杵を頭に2個着けた斧を垂直に立てて持つ。握り方は虚空蔵さんによって微妙に違う。人差指の跳ね上げ方が違う。
 二段蓮弁の蓮華台に吉祥座に座る。この像だけ右手に持物が無く、上品の印をしている。

法界虚空蔵菩薩坐像画像一覧その1
法界虚空蔵菩薩坐像画像一覧その2
法界虚空蔵菩薩坐像
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