古寺巡礼
トップページに戻る。
仏像名で寺を探す
仏像観て歩き 京都編2

名  称

ふりがな

じんごじ

神護寺

俗称又は愛称

右京区梅ヶ畑高雄町5

最寄駅

開  祖

沿  革

平安京造営(794)の最高責任者(造営大夫)であった和気清麿公が、いまの愛宕神社の前身愛宕山白雲寺などと共に建てた愛宕五坊の一つで「高雄山寺」と呼ばれたが、天長元年(824)河内(大阪府)の神願寺(清麿公創立)の地が、よごれた所でふさわしくないという理由から高雄山寺に合併されて、「神護国祚真言寺」と称したのがはじまりでありますがこれより先、和気一族は、叡山の最澄(伝教大師)や空海(弘法大師)をこの寺に招いて活躍の場とされたため、時の仏教界に新風を送ることになり、平安仏教の発祥地となった所であります。ことに弘法大師は唐(中国)より帰朝して、大同四年(809)に入山、以来、十四年間住持され、真言宗立教の基礎を築かれた所でありまして、後の東寺や高野山金剛峰寺と並ぶ霊刹であり、弘法大師を初代としております。
「神護寺縁起」より

私の想い

 この寺を最初に知ったのは、「岡部伊都子」さんのこの寺の訪問記を読んで知った。その中で岡部さんは、薬師さんの前に立つと今までの自分を叱ってくれる仏様だと云っていた。私もそんな仏像に会って見たいというのが、知ったきっかけです。
 最初の訪問は、昭和45、46年の頃で、紅葉の時期であった。「高雄」は、紅葉で有名な場所で、「かわらけ」投げからの紅葉は最高である。
 清滝川の清流の音を聞き、川に沿って下って来ると、20分ほどで川の畔に出る。そして、橋を渡るとすぐに右手に神護寺入口を見付ける事が出来る。長い石段でしかも、急なところ、なだらかなところがある。山門まで着くには、一汗も掻かなければならない。山門を潜るともう神護寺の境内に入ったことになる。
 盛夏の時期に子供の夏休みに子供の友達二名を伴って、来た事もある。子供達があまり興味を示さないので、薬師さんにも失礼した。
 今回は。九時半頃で時間も早い。新緑の若葉の匂いの中を登って行く。山門までかなりの距離と急坂を登って来た。受付所で仏像についてたずねた。多宝塔の拝観は「往復はがき」で予約して、時間を指定した拝観になっているという。諦めかけたところで、今日の拝観者と一緒であれば、出来るかも知れないというので、本堂に行った時にもう一度聞いて下さいという。
 山門を入ると、屋根にシートが掛けられ、葺き替えの工事をしている。工事用のトラックが止っている。近付いて、工事の人に聞いて見た。桧皮葺(ひわだぶき)の工事中でという。桧皮葺は文字の通り桧の皮を屋根材として、葺く天然素材である。釘は使わずに竹の串で留めて行く工事法という。
 一方、大師堂の屋根にも登っている人が居たので、尋ねると、こちらは、ニサラブキという葺き方だそうだ。サワラの木の板を3mm厚にして、それを、やはり竹の串で留めて行く。三十年位の寿命という。下地まで全部新しく葺き替えるという。
 急な石段を登って、本堂の前に立つ。ここに立つといつも、やれやれと思う。国道からここまで、結構距離があるからだろう。多宝塔は本堂の裏手の山の上にある。本堂では、まず他の拝観者と一緒でよいから、拝観したいと言って、拝観出来るかどうかを聞かなければいけない。
 二週間掛けて、京都、滋賀の寺の仏像を観て廻って居る事を話し、ここで最後であると話した。11時に予約があるので、一緒で良ければ、11時に本堂に来て下さいという。しばらく、時間があるので「かわらけ投げ」に行く事にした。
 高校時代に野球をしていたので、少しは投げる自信があったが、60歳の年齢には勝てずかわらけは失速して急降下してしまう有様である。
 ここから見る山にも、松喰い虫に遣られた、赤茶けた枯れた松が点在する。北陸道の高速から見える沿線も、枯れた松の木が目についた。日本の松は松喰い虫で、喰い尽されて仕舞うのではないかと、心配である。 新緑の中で赤茶けて枯れ松は似合わない。新緑には深緑の松が似合う。「かわらけ投げ」をしばらく楽しんで、本堂に戻る。約束の時間には、まだ、早い気がしたが、5,6名の方達が多宝塔の方に登って行く。後を追う様にして、続いて登って行く。
「ご一緒させて頂きます」
と先手を打って、言ってしまう。ご住職も私の存在を見て、安心されたようだ。鍵を開けて、多宝塔の中に入る。余り広くない中に、五体の虚空蔵さんが横に並ぶ。
 一緒の人達もそれなりに仏像に興味がある様子である。会話の中にそれを感じる。「往復はがき」まで出して、予約をする人達だからだろう。他人の尻馬に乗った様で申し訳ない気がする。そんな有難い気持ちで、時間まで、多宝塔で虚空蔵さんと一緒の時間を過ごした。
 本堂のご本尊の薬師さんは、大きな仏像を想像していたのに以外に小さい。しかし、「岡部伊都子」さんの言われた通り、私にも叱ってくれた。前で合掌しているうちに、その存在は大きくなっていた。

神護寺画像一覧その1 神護寺の写真が楽しめます。
神護寺画像一覧その2 神護寺の写真が楽しめます。
神護寺所蔵仏像
薬師如来立像 日光菩薩立像 月光菩薩立像
業用虚空蔵菩薩坐像 金剛虚空蔵菩薩坐像 宝光虚空蔵菩薩坐像  
法界虚空蔵菩薩坐像 蓮華虚空蔵菩薩坐像    
愛染明王坐像 毘沙門天立像 弘法大師像  
薬師如来坐像

神護寺に戻る

ご意見、ご感想をお聞かせ下さい。

お礼とお詫びとお断り
当寺の記述を最後まで、ご覧頂きまして誠にありがとうございます。
厚く御礼申し上げます。下記の通り、お詫びとお断り申し上げます。

1.        仏像の写真を紹介出来なかった事です。勝手に掲載しませんでした。
2.        絵葉書、仏像解説書、国宝写真集等々で、有名な仏像については、ご覧になれる機会は多いと思います。
3.    それ等をご覧になりながら、もう一度ここにお越し下さい。 また、別の仏像の楽しみ方が出来ると思います。

4.        ここでは、国宝と重要文化財の指定を受けている仏像を紹介しております。
5.
   「国宝・重要文化財大全」彫刻 毎日新聞社 1998年より選定しました。
6.        像高も上記大全のものを小数点以下切捨てで、記載しました。寺や解説書等と多少違うかも知れません。
7.        掲載した「沿革」と「解説」は寺から頂いた資料や手持ちの解説書からのものを掲載しております。

8.        一番は、実際に寺に行ってご覧になることです。
9.    一つでも好きな仏像を決めて、訪ねると一層「仏像観て歩き」が楽しくなります。      以上