古寺巡礼
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仏像名で寺を探す
仏像観て歩き 京都編3

名  称

ふりがな

せいりょうじ

清凉寺

俗称又は愛称

右京区嵯峨釈迦堂藤之木町46

最寄駅

JR山陰線
嵯峨嵐山駅

開  祖

沿  革

 五台山清凉寺は千年来、嵯峨釈迦堂の名で呼び親しまれている。この清凉寺の本尊釈迦如来さまは、国宝で日本三如来の一つに数えられる。屈指の霊場として昔から広く信仰され、三国伝来(インド〜中国〜日本)の生身のお釈迦さまとして拝する人々のこころを魅了し続けている。
「清凉寺縁起」より

私の想い

 今日は車でなく電車で行く事にした。大津駅より京都まで乗る。朝の通勤時刻で大変混んでいた。京都駅で乗換える為に山陰線のホームに行く。山陰線には乗った事が無い。
 京都駅がこんなに大きい駅だったとは知らなかった。山陰線の乗場の先に、例の機関車の方向転換や機関車を入れ換える転換場もありました。嵯峨嵐山駅まで行く。途中何度か地図を見ながら清凉寺に着く。
 現在特別公開中との看板も見える。受付をして本堂に行くと、まだ8時半を過ぎたばかりで、準備中だった。今開けますからと言って、正面に座るように言われる。
 正面に座ると、パチパチと蛍光灯が点灯すると同時にモーターの廻る音がする。正面のお厨子の扉が巻上げられる。お厨子が劇場の緞帳と同じだ。釈迦如来立像が現れました。
 仏像が好きになって以来、本や写真や模擬彫刻した作品を観て来たが、その原型になっている釈迦如来立像にやっと会う事が出来た。お会いするまでに永い時間が経って仕舞いましたとお詫びをする。
 この釈迦如来立像がお釈迦様を一番良く表現しているのだろうか。「清凉寺式釈迦如来立像」と呼ばれ全国に模刻した釈迦如来がたくさんある。
 中でも、奈良西大寺、滋賀西明寺等、鎌倉時代に多く造られた。中国で彫刻されたこのお釈迦様を日本に持って来た。お釈迦様はこの仏像以前にもたくさんあるが、立像というと、その後はこのスタイルが多い。このスタイルに人気があったのでしょう。
 右手は肘を深く折って手の平を正面に向ける「施無畏印(せむいいん)という印相。手の形です。
 左手は肘を曲げずに真直ぐ下に降ろし、手の平を正面に向ける。この形を「与願印」という印相。手の形です。「施無畏印」「与願印」の二つの印相が揃ってお釈迦様です。
 清凉寺式釈迦如来立像と言われる仏像に成る為の条件は
@まずは、立っていること。
A着ている衣の襞が胸は上向きに半円弧を描いて居る事。
B腰から下の衣の襞が縦に規則的に刻まれて居る事。
以上、3つの条件と二つの印相が揃えば、清凉寺式釈迦如来立像と言ってもらえる。異国的な雰囲気の仏像である。
 本堂の裏の庭とお部屋を見せて頂いた。庭もお部屋も綺麗、綺麗、お寺はお金持ちと言いたい。
 次に霊宝館に行く。この入口も自動扉になっている。入って直ぐの、右側に国宝の阿弥陀三尊と左側に重文の文殊さんと普賢さんの五仏さんに迎えられてびっくりした。予告無しで現れた形でした。
 平成17年4月の「仏像観て歩き2」では、次のように記述している。
昨年は、弘法大師のゆかりの寺とか、運慶にゆかりの寺が、多かった。今回の寺を総括すると、複製とか、模刻というのが、キーワードになるような気がする。
 そうだとすると、元は清凉寺の釈迦如来像である。これを興正菩薩叡尊さんが、この釈迦如来像の模刻を命じて、造らせたのが、西大寺の釈迦如来像である。
 清凉寺の釈迦如来像には、次のような過去がある。
この寺の本尊釈迦如来像は、雍煕(ようき)二年(985)、宋に留学中の「然(ちょうぜん)が、五世紀頃インドから中国へ持ち帰って来たという、仏弟子優填王の造った釈迦の像を拝観し、張延皎、延襲兄弟に模刻させた仏像である。「然はこの像を護持して、寛和三年(987)に、日本に無事帰る事が出来た。
 叡尊さんは、仏教の復興は釈迦信仰から始まると、模刻を命じて、そこから西大寺の復興に掛かったのである。その偉大さに、数多い弟子達が、協力して生きている叡尊さんをモデルに肖像彫刻したのが、西大寺の興正菩薩叡尊坐像である。叡尊さんは、それから更に十年生きて、九十歳で亡くなったという。
 この西大寺の興正菩薩叡尊坐像を釈迦如来像と同様に、模刻して、末寺がその遺志を継いで行く。白亳寺、岩船寺、十輪院、元興寺極楽坊に興正菩薩叡尊像の模刻像がある。
 やはり、清凉寺の釈迦如来像は拝観して、帰らねば、今回の旅が、始まらない事になってしまう。清凉寺の釈迦如来像を拝観した事で、ようやく物語の終了が見えて来た。
「仏像観て歩き」京都編の清凉寺に載せた写真と同じ写真を撮っている。比べて見てください。

清凉寺画像一覧その1 清凉寺の写真が楽しめます。
清凉寺画像一覧その2 清凉寺の写真が楽しめます。
清凉寺画像一覧その3 清凉寺の写真が楽しめます。
清凉寺画像一覧その4 清凉寺の写真が楽しめます。
清凉寺本堂所蔵仏像
釈迦如来立像
清凉寺霊宝館所蔵仏像
阿弥陀如来坐像 聖観音菩薩坐像 勢至菩薩坐像 文殊菩薩騎獅像 普賢菩薩騎象像
舎利仏像 目けん連像 大迦葉像 須菩提像 富楼那像
迦せん延像 阿那律像 優婆離像 羅こう羅像 阿難陀像
持国天立像 増長天立像 広目天立像 多聞天立像 兜跋毘沙門天立像
地蔵菩薩立像
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お礼とお詫びとお断り
当寺の記述を最後まで、ご覧頂きまして誠にありがとうございます。
厚く御礼申し上げます。下記の通り、お詫びとお断り申し上げます。

1.        仏像の写真を紹介出来なかった事です。勝手に掲載しませんでした。
2.        絵葉書、仏像解説書、国宝写真集等々で、有名な仏像については、ご覧になれる機会は多いと思います。
3.    それ等をご覧になりながら、もう一度ここにお越し下さい。 また、別の仏像の楽しみ方が出来ると思います。

4.        ここでは、国宝と重要文化財の指定を受けている仏像を紹介しております。
5.
   「国宝・重要文化財大全」彫刻 毎日新聞社 1998年より選定しました。
6.        像高も上記大全のものを小数点以下切捨てで、記載しました。寺や解説書等と多少違うかも知れません。
7.        掲載した「沿革」と「解説」は寺から頂いた資料や手持ちの解説書からのものを掲載しております。

8.        一番は、実際に寺に行ってご覧になることです。
9.    一つでも好きな仏像を決めて、訪ねると一層「仏像観て歩き」が楽しくなります。      以上