仏像名

ふりがな　　　しんしんりゅうぞう

教王護国寺
制作年代

重文
桃山時代

辰神立像

様　式

慶長八・九年-1603.4

俗称又は愛称

製作材質

木造、玉眼
彩色

樹　種

桧材

像　高

１０４ｃｍ

製作者

康英・康猶作

安置場所

金堂

開扉期間

解　説

辰の標識を付け、面部緑色。焔髪（焔髪で龍の如く角や耳を表す）開口顎を突き出す。左手屈臂して臂を張り、掌を上にして宝珠を腰脇で抱える。右手を上げて戟の柄を執る。
　大袖衣などの衣を着け、甲を着け天衣を腰から垂らす。着衣の胸をはだけ肋骨を表す。腰を後方に落とし、右方に裳裾をなびかせて、左足を踏み上げ、裸足で岩座上に立つ。
　檜材、寄木造り。彩色仕上げ。玉眼嵌入。頭部は大略前後に合せた三材製。円刳りはほとんど施されず。躰幹部は前後に合せた二材から彫出し、円刳りを施す。躰幹部は、前後に合せた二材から彫出し、内刳りを施す。
　躰部像内の上端付近に棚状の受けを設け、頭部を受ける。両腕などは別に造り、躰部に取付ける。宝冠、銅製鍍金。
（光背）
　以下、各像共、銅製鍍金、三方の火焔も銅板を切り抜く。取り付け版（銅板）で本躰背中に釘打ちとする。
（台座）
　以下、各像共、檜材、彩色仕上。ほぼ一材で岩を彫出し、まわりに自然木を取付ける。
「東寺の十二神将像」より　２００２年

私 の 想 い

裸足で、岩山を登ろうというのだ。戟を杖に駆け上がろうとする姿である。足が冷たい摺れて痛いと言わないのだろうか。
　この姿を見ると、「七人の侍」で三船敏郎が村にやって来て、民家の中から、刀や槍を探し出して来た時の得意満面で出て来た姿を思い出す。
「貧乏村でもなあ、百姓は結構こんなに隠して持ってんだ」
と得意満面の場面だ。