仏像名

ふりがな だいみょうそうぼさつりゅうぞう

薬師寺
制作年代

重文
奈良時代

大妙相菩薩立像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

銅造
鍍金

樹 種

像 高

298cm

製作者

安置場所

講堂

開扉期間

解 説

 講堂に安置されていた三尊像は、保存上かなり危険な状態で各部に損傷が認められていたが、これまで本格的な調査は一度も行われていなかった。中尊像の背面には、大きな亀裂が走り、両脇侍像は自立が困難な上、亀裂や悪性錆が生じていた。そこで平成五年から四ヶ年をかけて修理し、併せて様々な調査も行われた。
 当初三尊像の重量については、ほぼ同じ大きさである金堂三尊像を参考にして合計で、二十トンと予測していた。ところが約半分以下で、合計八.七トンの重量しかないことが判明した。また表面からの超音波探査では、銅肉厚一センチ前後であることが明らかになった。
 次に注目されるのは鋳造方法であるが、像内を精査した結果、削り中型鋳造と考えられる。その根拠としては、
@肉厚が薄い。
A衣紋の凹凸が内部に表れている。
Bへ先跡が残されている。
C蝋型鋳造の場合、中型・外型共に焼き締められるが、削り中型鋳造の場合は焼き締める必要がないため、表面に近い部分で生の粘土が残っている。
 これらの事実が挙げられる。
又、この像内の技法調査の過程で、中尊像内の右手前膊部の中型土から奈良時代のものと思われる布目瓦が発見されたこと、三尊像は面部や体部の各所に鋳造当時に補われた鋳掛け(鋳つぎ)が行われていたことも重要である。更に鋳造は必ずしも円滑にいかず、かなりの困難を極めたことが窺い知れる。
 これらの新知見は、製作年代の解明に大きな手掛かりを与えてくれものであった。今回の修理では、中尊像内の左腰部、裳先、左脇侍像の頭部、右脇侍像の天衣など近世補作の箇所を撤去し、新たに補作した。三尊像共に修理前の台座は別保管し、中尊像は宣字座を新作、両脇侍像は大きく破損した当初の台座に習い新しく鋳造した。その上免震装置も施した。
 この修理は各専門分野の諸先生による修理委員会を設け、文化庁・奈良県・奈良市の文化財担当者の指導を受け行われた。
 費用は、国庫・県・市より補助金を受け、更に各企業法人より指定寄付の特別措置による寄進、並びに、全国の帰依信心の方々から、像内納入写経供養料の浄財が充てられる。
「薬師寺講堂三尊像特別公開」より 1997年発行

私 の 想

 右手は肘を伸ばして下に降ろし、手の平を正面に指先を下にしている。左手は肘を直角に曲げて、手の平を上にしてお腹の前に寄せている。
 腰を左に寄せて、体全体が逆、くの字になっている。

大妙相菩薩立像画像一覧
大妙相菩薩立像
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