仏像名

ふりがな  にょいりんかんのんざぞう

観心寺
制作年代

国宝
平安時代

如意輪観音坐像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造
彩色

樹 種

像 高

108cm

製作者

安置場所

金堂

秘 仏

開扉期間

4月17・18日 開扉

解 説

 この如意輪観音像は、観心寺の本尊として、本堂の厨子の中に、秘仏として安置されている。観心寺は、空海の高弟実恵にはじまり、その弟子真紹が天長三年(826)、より、承和貞観年間(876)、頃までに造営した密教寺院である。
 本像もまた、この頃の作。「観心寺勘録縁起資財帳」によれば、この像は、もと講堂に安置されていたものである事が判る。檜の一木彫で左膝の部分を斜めに矧ぎ、腕は全て別木である。
 全身にやや粗い抹香漆を重ね、その上に美しい彩色が加えられている。肉身は淡紅色、天衣、裳は濁色系の彩色である。
 保存は、像、彩色共に上代彫刻中、最も完好なものの一つであるが、現在の臂釧は後補宝冠も後のものであろうか。
 台座は、蓮弁に華麗な雲繝文様(うんげんもんよう)のある貞観時代独特の形式であるが、蓮弁が少しつけ違っている。光背も一部は後のものであろう。
「日本の彫刻 上古〜鎌倉」 美術出版社 1966年より

 承和年間(834848)、頃に制作された観心寺の如意輪観音の像である。艶かしい美しさを持つ彫刻で、秘仏であるため、当初の彩色が良くのこっているので有名である。
「日本の彫刻」 久野健編 吉川弘文館 1968年より

私 の 想

右手の第1手は、右膝に乗って下にだらしなく降ろして数珠を持つ。第2手は、脇の下から胸前で手の平に宝珠を乗せる。第3手は、肘を深く折って手の平で右頬に当てる。小指を少し曲げて愛らしい。
 左手の第1手は、施無畏印で親指と人差指で蓮華の茎を持ち蕾が先にある。第2手は、肘を伸ばして蓮華台に突っ張る。第3手は、肘を後ろから深く折って、人差指を立てて指先に宝輪を立てる。
 もの憂い表情のこの方を観ると、春の宵のもの憂い気分が漂う。子供が良くやる眼を開けたまま寝ている、あの瞬間の、ぼうとした時に似ている。

如意輪観音坐像1画像一覧その1
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如意輪観音坐像1
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