仏像名

ふりがな あいせんみょうおうざぞう

仁和寺
制作年代

重文
平安時代

愛染明王坐像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造、切金文様
彩色

樹 種

像 高

51cm

製作者

安置場所

霊宝殿

開扉期間

解 説

 愛染明王は五大明王の中には入らないが、明王の内では、不動明王に次いで厚く信仰された。この明王は愛欲の煩悩を変じて、悟りの境地に至らしめる功徳があると言われる。
 愛欲の事を司る神が手に弓と矢を持つのは、西洋のキュウピットと同じであるが、この明王は愛欲を成就させる事よりも、愛欲の苦悩より逃れる事に、本来の功徳がある。
 しかし、実際には愛敬を得るためにこの像に祈る事が多かった。また、愛染明王は他の明王と同様、調伏法(ちょうぶくほう)の本尊にも用いられる。
 後三条天皇が東宮であった頃、成尊が愛染明王像の冠の正面に着いている獅子の口に、後冷泉天皇の御名を書いた紙を入れて呪ったところ、六日目に獅子冠から血がながれ、七日目に天皇がにわかに崩御され、御三条天皇がその後を継いで即位されたという秘伝が残っている。
 愛染明王像は複雑な姿をしているが、それでも、平安後期には平等院や白河殿に丈六の巨像があったし、大治四年(1129)、には百体の等身愛染明王像が、鳥羽天皇の中宮待賢門院のお産のお祈りのために造られ、世間の人々をびっくりさせた。
 仁和寺の愛染明王像は、平安後期の盛んな、愛染明王信仰を背景にして造られた像で、忿怒相の明王像でありながら、その姿には王朝時代特有の気品が現れている。
「京都の仏像」 淡交社 1968年より

私 の 想 い

三目六臂の憤怒の相。七段の連弁の蓮華座に座る。

愛染明王坐像画像一覧
愛染明王坐像
仁和寺に戻る
仁和寺画像一覧その1 仁和寺の写真が楽しめます。
仁和寺画像一覧その2 仁和寺の写真が楽しめます。
仁和寺画像一覧その3 仁和寺の写真が楽しめます。
仁和寺画像一覧その4 仁和寺の写真が楽しめます。
仁和寺画像一覧その5 仁和寺の写真が楽しめます。
仁和寺所蔵仏像
阿弥陀如来坐像 勢至菩薩立像 聖観音立像 薬師如来坐像
悉達太子坐像 文殊菩薩坐像 愛染明王像  
増長天立像 多聞天立像  吉祥天立像   
仁和寺に戻る 


愛染明王の考察