仏像名

ふりがな やくしにょらいざぞう

仁和寺
制作年代

国宝
平安時代

薬師如来坐像

様 式

康和五年(1103)

俗称又は愛称

製作材質

木造、切金文様
素地

樹 種

像 高

11cm

製作者

円勢・長円作

安置場所

霊宝殿

開扉期間

解 説

 歴代法親王の本坊である北院が康和五年(1103)に火災にあい、本尊薬師如来像も焼失した。その後、仏師の円勢・長円父子によって新像が復興制作され、観音院に仮安置されたという。
 それがこの薬師如来像で、穏やかな手法や豊富な截金(きりがね)の使用などに、藤原風の特色がみられる。白檀(びゃくだん)製の檀像で、光背や台座には精緻な浮彫りが施される。近年発見され、すぐに国宝に指定された。
「古寺をゆく」仁和寺と洛西の名刹 より

 白檀製の本格的な檀像で、頭髪部を青く塗り、眉目や髭、唇を描く以外は全体を素地のまま仕上げ、着衣や光背(頭光と後屏の組み合わせ)・台座には繊細な切金文様をほどこしている。
 頭光には七仏薬師を、後屏の左右には日光・月光菩薩立像を、また台座の腰部には十二神将像を、それぞれ浮彫りであらわす。この像容は、供養願文に記されている北院供養時の旧本尊の姿と一致する。
「仏教新時代」醍醐寺・仁和寺 より

私 の 想 い

 10センチ位の小さな像である。丸顔の少年である。一つの像で薬師一家を表現している。本尊の薬師如来坐像、光背に日光・月光菩薩立像、台座に十二神将像を配し、オールキャストである。台座四方の一面に三躯を表わし、四面で十二神将を表現している。何とも効率的な仏像であることか。
 右手は右太腿に肘を着け、手首を返して五指を開き手の平を正面に向ける施無畏印である。
 左手は吉祥座に組上げた右足の足裏に手の甲を着けて乗せる。手の平には小さな薬壷を載せている。右足は脛まで観えている。坐像で脛まで出していることは珍しい。普通は足裏か、足首辺りか、までである。

 この像を観て思い出すのが、東寺の金堂の十二神将である。あちらは台座下に垂れ下がる裳をひさしにするようにして、四面に十二神将が配置されている。

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薬師如来坐像
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