古寺巡礼
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仏像観て歩き 奈良編3

名  称

ふりがな

りょうせんじ

霊山寺

俗称又は愛称

奈良市中町3879

最寄駅

開  祖

沿   革

縁起
 千三百余年の昔右大臣小野富人(通称鼻高仙人)が、湯屋に薬師三尊仏を祀り、薬草風呂にて諸人の病を治したのが遠因である。
創建
 天平八年(736)聖武天皇の勅命で、行基菩薩が伽藍を建立。印度婆羅門僧菩提僊那は地相がインド霊鷲山に似ているので霊山寺と名付けた。境内に菩提僊那の墓がある。
経過
 鎌倉時代に北条時頼の帰依厚く、多くの寺領を下付され、本堂の改築、伽藍の大修理成り、豊臣秀吉、徳川家康、また寺領を寄進、以後徳川幕府の御朱印寺として寺勢二十一か坊を数えた。明治維新の廃仏毀釈により伽藍の規模半減、二百体の仏像焼却に遭うも、昭和平成時代に至り再度隆盛を見る。
「登美山鼻高 霊山寺」縁起より

サンドイッチを車で食べて、阪奈道路を大阪に向かって、霊山寺に行く。川の向こうに霊山寺が見える。受付で仏像の件を話すが、本堂に行って聞くように言われる。
 本堂では、売店と管理を兼ねて、品の好いご婦人が留守番をしていた。国宝、重要文化財の仏像を調べているので、メモをしても好いか尋ねる。好いというし、仏像の写真を何枚かと、解説書を2冊見せてくれる。その内の安い方を買う事にした。お金を払って、しばらく調べを続ける。本堂でご婦人と2人きりだった。その内にお茶でも飲みませんかとお茶と菓子を出してくれる。
 お茶を飲んでまた、調べはじめる。見えない足元を見るために進入できないところまで入って好いと許可が出る。また、安い方の解説書では、写真がないので、高い方に変えてもらう。
 ようやく調べ終える頃に、一人の男性が本堂に入って来られた。男性は度々来られて顔見知りの様子である。
 男性が持って来た荷物を取り出すと、
「この方はいつも来た時に、ハーモニカを吹いて下さるのですよ」
とご婦人がいう。
彼は何本かあるハーモニカの中から、1本を取り出し吹き始めた。
「旅愁」
である。本堂の中に物悲しいハーモニカが咽び泣く。吹き終えると
「下手ですが、童謡とかナツメロなら」
という。そこで、
「故郷」
をリクエストする。前奏を短く直ぐにメロディーになった。だんだん進む内に、感極まって、不覚にも嗚咽してしまった。涙が出て止まらない。
 このことが在ってから、更に気持ちが乗って来て、
「みかんの花咲く頃」「湯の町エレジー」「酒は涙か」「真白き富士の峰」「花」
とか、何曲か吹いてくれた。
 10歳年上の奥様に5年前に先立たれて、4年前からハーモニカを習い始めて、妻の鎮魂と自身のために、ここに月に一度位のペースで、本堂で薬師如来さんに奉納演奏に来ているという。思わぬ本堂でのハーモニカ演奏会に出くわした。
 群馬の「お切込み」の話と群馬の小麦で作った「緋のうどん」を二人に渡して、帰ることにした。
 5月15日には、秘仏も全部公開するというので、ハーモニカの彼も休みを取って来るという。私も楽しみが出来た。今日は本当に好い日であった。
 次に霊山寺に行く。本堂に覗うと覚えていて下さり、
「15日ですよ。ハーモニカの方は、4月15日に来て居りましたので、5月15日ですと申し上げて置きました。その時にまた、2、3曲聴かせて頂きました」
という。この本堂での独奏会をして行ったのである。
「残念ですが、今回は帰りますので、いずれご開帳の時に来たいと思います」
と言って、お厨子の前に張ってあるお写真での対面で済ませる。
「お時間があれば」
と言って、霊山寺を説明するビデオを見せてくれる。霊山寺は(りょうぜんじ)というのが本当であった。参拝者も、私ともう一人であり、お茶をご馳走になり、ゆっくりとビデオを見る。  ビデオのナレーターが、「おしん」の「奈良岡朋子」さんである。あの名調子に半分うたた寝をしながら、気分よく見ておりました。
「奈良岡朋子さんですよね」
というと奥様は
「好くお判りで」
「また、いずれ来られるようになりましたら、また来ます」
と言ったものの予定はない。

霊山寺画像一覧その1
霊山寺画像一覧その2
霊山寺画像一覧その3
霊山寺花華一覧その1
霊山寺花華一覧その2
霊山寺花華一覧その3
霊山寺花華一覧その4
霊山寺所蔵仏像
薬師如来坐像 阿弥陀如来坐像 大日如来坐像 十一面観音立像
日光菩薩立像 月光菩薩立像 持国天立像  多聞天立像 
子神立像 丑神立像 寅神立像 卯神立像
辰神立像 巳神立像 午神立像 未神立像
申神立像 酉神立像 戌神立像 亥神立像

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お礼とお詫びとお断り
当寺の記述を最後まで、ご覧頂きまして誠にありがとうございます。
厚く御礼申し上げます。下記の通り、お詫びとお断り申し上げます。

1.        仏像の写真を紹介出来なかった事です。勝手に掲載しませんでした。
2.        絵葉書、仏像解説書、国宝写真集等々で、有名な仏像については、ご覧になれる機会は多いと思います。
3.    それ等をご覧になりながら、もう一度ここにお越し下さい。 また、別の仏像の楽しみ方が出来ると思います。

4.        ここでは、国宝と重要文化財の指定を受けている仏像を紹介しております。
5.
   「国宝・重要文化財大全」彫刻 毎日新聞社 1998年より選定しました。
6.        像高も上記大全のものを小数点以下切捨てで、記載しました。寺や解説書等と多少違うかも知れません。
7.        掲載した「沿革」と「解説」は寺から頂いた資料や手持ちの解説書からのものを掲載しております。

8.        一番は、実際に寺に行ってご覧になることです。
9.    一つでも好きな仏像を決めて、訪ねると一層「仏像観て歩き」が楽しくなります。      以上