仏像名

ふりがな ぼんてんりゅうぞう

唐招提寺
制作年代

国宝
奈良時代

梵天立像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

一木彫造
乾漆併用、彩色

樹 種

像 高

186cm

製作者

安置場所

金堂

開扉期間

解 説

  金堂本尊盧舎那仏坐像の両脇に安置される像で、左側(向かって右)が梵天、右が帝釈天である。梵天・帝釈天ともに古代インドにおける最高神が仏教に採り入れられたもので、護法神として諸天の長に位置づけられており、一対で造立されることも多い。
 両像とも甲を着け、大袖と鰭袖の衣をまとい、裾の翻った裳を着用し、沓を履く。頭上には髻を結い、両肩から天衣を懸ける。梵天像はさらに袈裟を着ける。
 構造は、ともに頭部から両袖を含めてほぼ全身を一材から彫り出し、両手首などは別材を矧ぎ付ける。背面から内刳りを施し、蓋板を当てている。表面には乾漆を盛り上げて整形した箇所が多く、地髪部や、両肩を覆い肘内側に懸かる天衣などは、乾漆のみで造形している。
 また、顎下では木部の削り過ぎを乾漆で修正し、帝釈天像の前垂れ左右の葉型の切れ込みも乾漆で修正しているなど、木部の彫刻の失敗を、補整するためにも乾漆が使われている。表面は彩色仕上げで、わずかに痕跡が認められる。
 頬が豊かで目鼻立ちの大きい暗くて茫洋とした表情や、太く短い首の肥満気味の体躯、柔らかな質感を示す衣の表現が特色である。この作風は、脱活乾漆と乾漆併用の木彫という技法と大きさの違いはあるが、盧舎那仏坐像と同一の範疇にあり、盧舎那仏坐像と同時期に、同じく鑑真和上に伴って、来朝した工人の指導で造立されたと考えるのが妥当であろう。
 両像の台座反花上面には墨描によるさまざまな戯画が残されている。この場所は通常人目に付かないので、制作途中の工人が筆だめしか、手すさびに描いたものがそのまま伝えられたのである。おおらかな天平の筆遣いを見る事が出来る貴重な落書きである。
「鑑真和上像 里帰り20周年展」 1999年より

私 の 想 い

 右手は肘を軽く折って、前に出す。特別な指の形をしている訳ではない。そのまま出した感じである。それでもわずかに中指と薬指が内側に折れている。手首がそっくり出るほどに、袖が上がっている。
 左手は肘を直角に折って、前に出し手の平を正面に向け、人差指と小指を伸ばして、中指と薬指がわずかに曲がって、やさしさを現わしている。
 衣の下に軍服を着けている。軍服が胸元から見る事が出来る。胸のところに見える下に着ている軍服がなければ、薬師さんか、お釈迦様とでもと言いたい手の形である。太い手でありながら指を短く小さく造ってある。
 右手は、くの字に肘を折って、前に出し手の平を正面に向けて、与願印である。左手は肘を直角に折って、前に出し手の平を返して正面に向け、施無畏印である。
 顔が胸に埋まった形の首がない仏像である。仏像は比較的に首の短いものが多いのだがこの像はその中でも典型かも知れない。

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唐招提寺1所蔵仏像
金堂
盧舎那仏坐像  
千手観音立像 薬師如来立像 梵天立像 帝釈天立像
持国天立像 増長天立像 広目天立像 多門天立像
御影堂
鑑真和上坐像
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