仏像名

ふりがな たいしゃくてんりゅうぞう

唐招提寺
制作年代

国宝
奈良時代

帝釈天立像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

木造
彩色

樹 種

像 高

188cm

製作者

安置場所

金堂

開扉期間

解 説

 盧舎那仏坐像前方左右に立つ等身を一まわり超える木彫像である。本尊から見て左が梵天、右が帝釈天と伝えられる。壇の四隅の四天王像とともに護法善神の役割を担う。
 両像とも甲を着け、その上に衣を重ねて着るが、帝釈天像は一番上にがい襠衣という丸首の衣、梵天は袈裟を着ける。甲に袈裟を着けるのは帝釈天がふさわしいので、いつの時代に、名前が入れ替わった可能性がある。
 像は、頭と体の大部分を、一材から彫り出すが、足元には別の材を矧ぎ付ける。髪や天衣、衣の裾など部分的に、漆と木の粉を練り合わせた木屎漆(もくそうるし)という素材で塑形される。
 木は、八世紀後半にあらためて注目された素材、一方の木屎漆は前世紀末から仏像に用いられるようになった、いわば伝統的なもので、新旧の素材がここに併用されている事が注目される。
 顔の輪郭や眼の形、太い鼻梁、そして少し陰鬱な雰囲気が盧舎那仏坐像と似ている事から同時期の制作とする考えと、九世紀に通ずる形式がある事から、本尊よりは新しいとする考えがあり、まだ定説はみない。
 台座の隠れた箇所には達者な筆遣いによる人物や動物の戯画がある。
「唐招提寺展 国宝 鑑真和上像と盧舎那仏」 2005年より

私 の 想

 右手は脇を締めて肘を折り、前に出し手首を折って手の平を正面に向け、わずかに中指と薬指が内側に折っている。
 左手は軽く折って手の平を上にして、前に出す。親指で中指を摘まもうとしているのか中指だけが少し内側に曲がっている。
 右手の手首があらわれた長い振袖が正面の風をはらんで大きく口を開けている。裳の胸元を開けているが、下にはやはり軍服を着けている。
 足元は裾ですっかり隠れているが、つま先だけがわずかにふくらみ捲れて足と判る。
 帝釈天は梵天と対照的に、右手で施無畏印である。左手は与願印であるが、中指を立てて変化をつけている。
 この方も太い手と短い指に特徴がある。また、短い首には違いないが、梵天に比べて、まだ平均的な仏像の首の長さである。
 軍人らいからぬ、穏やかなお顔の方でさぞかし、信心深い人なのだろう。胸元の襟の返りに変化を付けてゆったりと着物を着ている様子が表れている。

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唐招提寺1所蔵仏像
金堂
盧舎那仏坐像  
千手観音立像 薬師如来立像 梵天立像 帝釈天立像
持国天立像 増長天立像 広目天立像 多門天立像
御影堂
鑑真和上坐像
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