仏像名

ふりがな　ぎょうきぼさつざぞう

唐招提寺
制作年代

重文
鎌倉時代

行基菩薩坐像

様　式

俗称又は愛称

製作材質

木造、玉眼
彩色

樹　種

像　高

８３ｃｍ

製作者

安置場所

新宝蔵

秘仏

開扉期間

３/２１〜５/１９　　９/１５〜１１/３　公開される。

解　説

奈良時代に生きた行基像を、鎌倉時代の彫刻家がつくることなは大変な苦労があったのだろう。この像は画像などを参考にしたのだろうが、像主の人間性をある程度表わす事に成功している。
　天智天皇の九年(670)、に、和泉国に生まれ、薬師寺に入って、瑜伽・唯識を学んだ。諸国を巡行して、寺を建て、衆生を教化し、また池を掘り、堤を築き、橋をかけるなど、社会福祉的な活躍も著しかった。
　聖武天皇の帰依を受け、東大寺大仏の造立に尽力し、ついに大僧正の位を授けられた。天平勝宝元年(749)、八十歳で寂した。奈良時代に、聖的業績を残した、特異な僧として有名である。
　行基の彫像あるいは画像は、南都の諸寺や、その他行基関係の寺に残されたものがある。普通は右手に念珠を持ち、左手で如意を握る坐像に造られる。奈良唐招提寺並びに薬師寺には、鎌倉時代の優れた木像が安置されている。
「日本の美術　肖像彫刻」　至文堂　１９６７年　より

私 の 想 い

　胸のところを見ると、胸骨が浮いて見える。しかし、身体は立派な骨太で気骨が滲み出ている。衣を壇上に大きく広げて、右手は右足脹脛に甲を置き、蓮華葉の茎の元を持つ。
　左手は脇を締めて肘を折って、前に出して蓮華葉の裏を持つ。奈良時代の仏教を支えた人の気骨が毅然とした姿に表れている。