仏像名

こうもくてんりゅうぞう

勝常寺
制作年代

    重文
平安時代

広目天立像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造、
彩色

樹 種

像 高

122cm

製作者

安置場所

収蔵庫

開扉期間

解 説

 広目天は、西方を守護する。右手に筆、左手に経巻を持っていたものと思われるが、今は失われている。
「古寺をゆく 勝常寺と会津の名刹」より 小学館 2001年

 福島県会津地方の古刹勝常寺に伝わる四天王の一体。本体から邪鬼(じゃき)までをケヤキの一材から造り、内刳りを施さない。量感ある力強い表現は平安初期彫刻の特色を示すが、その風貌や全体にみなぎる荒々しさには東北の地方から生まれた土着的気分が感じられる。
東京国立博物館 彫刻室(第11室)の陳列作品一覧より 2010年度春期 解説

私 の 想 い

 右手は肘を伸ばしそのまま下に降ろす。手首から先を欠いている。左手は肘をL字に折り、前に出してグーを握り、手の甲を下に向ける。親指と人差指を突き合わす。広目天の持ち物である経巻を多分握っていたのだろう。
 邪鬼は這い着くばるようで、トドかクマか、いずれにしても、丸々と太て太てしい。こちらの主人は優しいので、邪鬼に舐められている。
 平成23年2月の第四十二回「仏像観て歩き」で拝観した時には、次のように書いている。
 四天王を拝観する時の楽しみの幾つかに、足元に踏まれた邪鬼と踏んでいる主人との関係を考えることである。極厳しく虐めていたり、やさしく、従順であったりする。この関係を一つは主人の方から虐待度とし、もう一つは邪鬼の方から従順度として、五段階方式で採点して観ることにしている。
 この広目天像の場合は
虐待度 1  でやさしい
従順度 4  で我慢出来る範囲である。
ちなみに法隆寺金堂の四天王は皆、1と5でした。主従関係の鑑である。

広目天立像画像一覧その1
広目天立像画像一覧その2
広目天立像
勝常寺に戻る
勝常寺所蔵仏像
薬師如来坐像 日光菩薩立像 月光菩薩立像
持国天立像 増長天立像 広目天立像 多聞天立像
聖観音立像 十一面観音立像
天部立像(虚空蔵菩薩)
地蔵菩薩立像1 地蔵菩薩立像2
勝常寺に戻る


四天王の考察