仏像名

ふりがな にっこうぼさつりゅうぞう

勝常寺
制作年代

国宝
平安時代

日光菩薩立像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造、
漆箔

樹 種

像 高

169cm

製作者

安置場所

収蔵庫

開扉期間

解 説

 威圧的な雰囲気を漂わす薬師如来に対し、両脇侍の日光・月光菩薩からは、やや控え目な印象を受ける。
 しかし、一見スマートな正面に対して、側面からは腹部より、下のボリューム感が目立つ。これは薬師如来にも通じ、三尊とも同時期の作とされている。
「日本の仏像 勝常寺薬師三尊とみちのくの仏」より 講談社 2008年

私 の 想 い

 前回書きましたように、収蔵庫では本堂に居て不在の薬師様の座を挟んで日光菩薩像、月光菩薩像がある。互いに本尊の薬師様に近い方の内側の腕を伸ばしている。反対に遠い方の外側の腕を曲げている。薬師様を中心に左右対称形になっている。阿弥陀如来、薬師如来は三尊で祀る三尊型式にすることが多い。
 三尊型式での注目点
1.左右対称形になっているか。
2.対称形は「内伸」か「外伸」か
  1)内側の腕を伸ばしている場合を私は「内伸」と名付けている。
  2)外側の腕を伸ばしている場合を私は「外伸」と名付けている。
この三尊は「内伸型式」の三尊像であるとなる。
 例えば
「内伸型式」 法隆寺大講堂、神護寺、醍醐寺、東寺金堂
「外伸型式」 薬師寺金堂、高山寺、興福寺東金堂、影向寺、宝城坊
などとなっています。
 平成21年6月に第十八回「仏像観て歩き」で訪問した時には、次のように書いています。
 右手は肘を伸ばしてそのまま下に降ろす。手首を返して指先を外に向け、手の平で地面を押える。親指を少し内に、人差指も内に伸ばす。
 左手は脇を締め、肘をL字に折り、前に出し手首を返して、手の平を正面に向ける。指先を上に向けて開いた手の平だが、指先がいくつか欠けている。完全な指先を観たかった。
 太腿のところは衣文を刻まずに、広々と平らな面で済ます。前面から観た体型と側面から観た体型では、全く違う。側面からの体型は、熟女の体型だが、前面からは聖女の体型であり、お顔は少女のようである。この三面性を持った仏様が好きである。

日光菩薩立像画像一覧その1
日光菩薩立像画像一覧その2
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