仏像名

ふりがな がっこうぼさつりゅうぞう

東大寺制作年代

国宝
奈良時代

月光菩薩立像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

塑造 切金文様
彩色

樹 種

像 高

206cm

製作者

安置場所

法華堂(三月堂)

開扉期間

解 説

 巨像の立並ぶ三月堂内で、白衣の姿で一心に祈り続けているこの日光・月光菩薩像は観る人々の心を捉えるずにはおかない。現在日光・月光菩薩と呼ばれているが、姿からいうと、もとは梵天・帝釈天の像として制作されたものであろう。
「日本の彫刻」 久野健編 吉川弘文館 1968年より

 いま三月堂壇上、本尊の左右につつましく合掌待立ちしているが、元来どこにあったものか、はっきりしない。形の上では梵天、帝釈二天のそれに違いないが、寺伝の呼び名がふさわしいようなムードを持っている。
 いかにも、静寂な気分を讃えた像で、瞑想的な表情には気品があり、ポーズも自然で美しい。天平塑像の円熟期の作品として、同寺執金剛神、四天王像などと共に、当代を代表する名品である。
「仏像の美 見かた考えかた」 社会思想社 1968年より

私 の 想 い

 あっちこっちから照らす懐中電灯の光に晒されて、哀れな感じがする。仏像を人に置換えて、考えるとその哀れさも少しは感じられるのではないか。
 人を照らす場合は失礼だと云い、仏像の場合は鑑賞であるから好いと言って逃げる。尊敬をし、崇拝をする仏であれば、そのような行為は出来ないのではないだろうか。仏像を鑑賞用と観るのか、崇拝する仏と観るのか私自身も決め兼ねている。
 しかし、この仏は静かなお姿で拝んでおられる。周囲にいる我々が懐中電灯で照らすという事で、静かに拝む仏の邪魔をしている。静かな落着いた境地で拝んでいるのに、目の前で光をちらちらさせる。迷惑千満な事だ。自己さえ良ければという気持か。もっと、他人の心の内側を大切にしなければならない。
 この懐中電灯で仏像を照らし出す事には私は抵抗がある。せめて照らすなら蝋燭の光にしたい。これも火災の問題で心配である。自然光で観るのが一番好い。
 平成17年4月の「仏像観て歩き2」での訪問では、次のように書いている。
月光菩薩像は、腰紐があり膝頭まで、二重輪をかいて結んである。胸元の合わせ目が喉元に近い。そして、そこにペンダントもある。

月光菩薩立像画像一覧その1
月光菩薩立像画像一覧その2
月光菩薩立像
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東大寺所蔵仏像
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不空羂索観音立像 日光菩薩立像 月光菩薩立像
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日光菩薩と月光菩薩の比較表