仏像名

ふりがな にっこうぼさつりゅうぞう

東大寺
制作年代

国宝
奈良時代

日光菩薩立像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

塑造、切金文様
彩色

樹 種

像 高

206cm

製作者

安置場所

法華堂(三月堂)

開扉期間

解 説

 三月堂の本尊不空羂索観音像の左右に、かしずくように立っているのが、日光菩薩、月光菩薩の像である。この像及び次の吉祥天、弁財天、執金剛神像は、本尊とは、作風、造法、大きさなどが大変違っている。
 これは、これらの像が、本来この堂の仏ではなく、他の堂から移し据えられた、客仏である事を物語っている。
 しかし、この像が元どこの堂にあり、いつ頃、造られたかは判らない。また、尊名も姿の上からは日光、月光とは考え難く、もとは梵天、帝釈天として造られたものであろう。
 造法は、塑像といって、木骨を立て、それに縄などを巻き付け、その上に藁を混ぜた粗土で形を作り、最後に精選した土で仕上げをし、全身に彩色を加える造り方をしている。
 もっとも、現在は彩色が殆んど剥落し、白々とした地肌になっている。僅かに残る色から考えると、衣と袈裟は岱赭、袖口は朱で裾には忍冬文の截金が少し残っている。
 補修も日光菩薩の指先と耳朶などの他は、殆んどない。
「日本の彫刻 上古〜鎌倉」 美術出版社 1966年より

私 の 想 い

 白衣の姿で一心に合掌して祈り続ける。この像は拝観者の心に残る姿であり、続けるでしょう。また、此処に来て、一緒に合掌したくなる。
 日光菩薩像は衣文の流れが、左手の方から緩やかに流れ降りて、右手の方で襞は消えるようになくなっている。
 その他の違いを強いて上げるならば、上唇が厚く鼻に届く程である事、もう一つは、ヘアーバンドとも言うべき頭に着けた頭髪止めを額の生え際から着けている事である。
 静かに心を落ちつけて、合掌してお祈りする姿にこころを動かされる。黙って立っていても、落ち着きを持った人は、それだけで存在感があり、人の心に感動を与える証明でもある。
 心の落ち着きのない人が、美辞麗句を並べて、人の心を動かそうとしても、それは出来ない。また、沈黙は金という言葉があるが、それは心に落ち着きのある人で、この二つの像のような人によって、のみ意味があり、落ち着きの無い凡人のわれわれには、通用しない。
 平成17年4月の「仏像観て歩き2」での訪問では、次のように書いている。
向かって右側の日光菩薩像は、胸のペンダントが下の方にある。合掌する両手の影で見えない。
 また、腰から下の衣文が、右から左に流れ落ちる。胸元の合わせが下の方にまで落ちている。

日光菩薩立像画像一覧その1
日光菩薩立像画像一覧その2
日光菩薩立像
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東大寺所蔵仏像
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不空羂索観音立像 日光菩薩立像 月光菩薩立像
梵天立像 帝釈天立像 吉祥天立像 弁財天立像
持国天立像 増長天立像 広目天立像 多門天立像
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日光菩薩と月光菩薩の比較表