仏像名

11めんかんのりゅうぞう

薬師寺
制作年代

    重文
平安時代

十一面観音立像2

様 式

俗称又は愛称

製作材質

木造
彩色

樹 種

像 高

165cm

製作者

安置場所

大宝蔵殿

開扉期間

解 説

 髻部に頭上面を取り付けた痕跡があることから、十一面観音であることがわかる。髻から両腕までも含めてほぼ全容を一材から彫出する一木造で、内刳りは施さない。表面には塑土及び乾漆を併用しており、裳正面折り返し部では塑土で大体の形を整えた上に乾漆を盛り上げて表現している。
 左肩から右脇腹をめぐる条帛も、すべて乾漆で造形していたことを、その痕跡から知ることができ、また、両肩前では彫り過ぎた箇所を乾漆で補填している。
 彩色は、肉身部ではやや変色しているものの淡紅色の肉色、裳は丹と朱を重ねた地に草花文を緑青主体に描き、天衣は緑青で彩色するなど、濃密な賦彩が特色である。
 こうした塑土と乾漆を木彫像の細部の造形に用いる技法は、奈良時代後期から平安時代前期にみられる特色であり、球面を繰り返し用いた抑揚に富む相好や、翻波衣文の鎬の鋭さにも、九世紀彫刻の重厚な様式を見ることが出来る。
「もうひとつの薬師寺展」より 2008年

私 の 想

 頭頂の仏面は欠けて、芯棒が残っている。右手は肘を後ろに引いて、くの字に曲げ下に降ろす。手首から先が欠損している。
 左手は肘を直角に折り、前に出しこちらも手首から先がない。直立した姿勢で、手以外の部分は左右対称に造られている。
 製作年代が平安時代になっているが、この姿勢や彫り方からは、大安寺や唐招提寺のものに似ている。腰の位置の高い美形の十一面観音像である。
 平成20年4月に開催された「もうひとつの薬師寺展」では、次のように書いている。
 細い腹が目立つ。それに引き換え、腰や太腿の大きさも目立つ。お腹に一段横に筋が入いる。胸のふくらみも若々しい。腰に一枚布が内側から折り返る。
 細い彫眼の眼が下を見ている。両肩にわずかに天衣がかかる。胸には瓔珞を着けていない。両足先が欠けてしまっている。

十一面観音立像その2画像一覧
十一面観音立像その2
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十一面観音の考察