仏像名

 11めんかんのんりゅうぞう

薬師寺
制作年代

    重文
平安時代

十一面観音立像3

様 式

俗称又は愛称

製作材質

木造
彩色

樹 種

像 高

180cm

製作者

安置場所

大宝蔵殿

開扉期間

解 説

 上半身をくねらせて、右足を少し上げるようにして、左足に重心をかけて立つ像であるこの体の動きに応じて、衣も穏やかな動きをみせ、特に裳裾は後方になびき、その両側が少し膨らんで持ち上がる。
 これらの表現は、十一面観音の経典より判断して、観音が真摯な祈りに対して感応され、その証として動かれた事を示すものがある。恐らく本像は、この経意を忠実に表現する。奈良時代から平安時代初期にかけて請来された檀像を手本として造像されたものと考えられる。
 造像時期は、延久元年(1069)銘のある奈良・融通念仏寺聖観音立像を下限として考えられようが、体躯に硬さがなく自然な動きを表現し得ている点は、十世紀初めの広島・龍華寺十一面観音立像に近いとみられる。
 よって、本像もほぼ十世紀の作と考えられよう。ヒノキの一木から彫り出し、後頭部と背中から内刳りを施している。
「もうひとつの薬師寺展」より 2008年

私 の 想 い

 右手は肘を後ろに引いて、くの字に曲げ下に降ろし、手の平を前に向ける。腰を左に大きく寄せているために、降ろした右手の肘との間隔が大きく開く。
 左手は左に寄せた腰に肘が着くほどにして、肘を折り前に出し手首を横に返して、手を丸く握る。かなり無理した格好に見えるが、十一面観音像では良く観る姿勢である。
 平成20年4月に開催された「もうひとつの薬師寺展」では、次のように書いている。
像全体がS字形をしている。像は彩色が剥がれて全体が、白化現象をしている。左に寄せた腰と、対比する意味で右腕の肘を、横に張ることでバランスが取れる。
 左肩から右腰に斜めに下げる衣は、胸の乳のところで一つ結び目を結んでいる。この像も腰布が内側から一枚折り返されている。
 右手の平が大きな割りに、左手で水瓶を持っていたであろう手が、小振りに出来ているのに気付く。両足は完全に残っている。

十一面観音立像その3画像一覧
十一面観音立像その3
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十一面観音の考察