仏像名

ふりがな でんおおつおうじざぞう

薬師寺
制作年代

    重文
室町時代

伝大津皇子坐像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

木造
彩色

樹 種

像 高

39cm

製作者

安置場所

鎮守八幡宮

開扉期間

解 説

 寺伝で大津皇子(663686)といわれ、衣冠束帯の俗形像。左手に笏を執り、右手を胸前に構えて、両沓先を前で合せて座る。
 大津皇子は天武天皇の第三皇子で、天武天皇の崩御(朱鳥元年=686)の直後、第一皇子である草壁皇子に謀反したかどで、草壁皇子の母である持統天皇から死を賜り、妃の山辺皇女も殉死した。
 ヒノキの寄木造で、内刳を施さず二十数片の部材を接ぎ合わせ、わずか四十センチたらずの小像でありながら多数の部材を寄せる点に神像的な意図で造立されたことを窺わせ、眉間を寄せ、一見憂いに満ちた表情は悲劇の皇子である大津皇子を追憶し、いつの日か薬師寺の寺僧が大津の鎮魂のためにこの像を作ったものかも知れない。
 表面を胡粉地彩色を施すが、袍や袴に描かれる飛雲文や市松文にやや形式化が窺われ、本像の製作は鎌倉時代なかば頃と考えられる。

「もうひとつの薬師寺展」より 2008年

私 の 想 い

 両足の裏を前で合わせた坐り方で座る。右手は胸の前で手の平を水平にして、左手は袂で袋手にして胸の前で托拝を握り、やはり水平にする。
 平成20年4月に「もうひとつの薬師寺展」では、次のように書いている。
僧形八幡神の三像と一体のものと秘かに思っていたが、やはり違っていた。片方は彩色が鮮やかに残り、もう片方のこの像は、彩色が薄く感じる。
 衣冠束帯の姿で座る。四角ばった感じだが、鎌倉で観る源頼朝や北条時頼の武人の姿ともまた違う。

伝大津皇子坐像画像一覧
伝大津皇子坐像
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