仏像名

ふりがな なかつひめのみことざぞう

薬師寺
制作年代

国宝
平安時代

仲津姫命坐像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

木造
彩色

樹 種

像 高

36cm

製作者

安置場所

鎮守八幡宮

開扉期間

解 説

 神功皇后は左膝を立て、仲津姫命は右膝を浮かせて坐す。両像とも頭上に髻を結い、豊かな髪を長く垂らす。着衣の形式も共通で、大袖の上に背子を重ね裙を着けている。胸元から長く垂れる紐は、背子の内懐の紐と見る説と、紕帯(はたおび)(裙の紐)と見る説がある。
 また、この両像は、肩に領巾(ひれ)をかけており、それぞれ両脇の下を通って長く垂らし、仲津姫の背面地付には、その先端が木屑漆を盛上げて作られている。
 領巾は、上古より男女の服装に用いられたが、時代の下降と共に女子の服飾具とされ、「延喜式」の女子の装束の項にも記されている。
 奈良朝の女子の服制は、唐代のそれを取り入れて成立しており、領巾の着用例は中国唐代の絵画に描かれた婦人像をはじめ、我が国でも法隆寺五重塔本塑像、薬師寺吉祥天画像などが知られている。
 本像は平安時代の作でありながら、奈良朝の古式を踏襲した形で作られており、奈良・平安時代の服飾のあり方を考える上でも、極めて興味深い作例である。
「特別展 大和古寺の仏たち」 1993年 東京国立博物館より

私 の 想 い

 右手も左手も袋手にして、指を全く見せない。右足が立て膝になっているのか、座禅を崩したのか判らない。膝頭は右が高く、左はそのまま坐っている。
 お顔は正面下を見据えている。赤の衣装と緑のチョッキが鮮やかである。胸元から八の字に両膝下に紐が垂れ下がる。右足が座禅を組む形から立て膝に近い姿勢である。
 平成20年4月「国宝 薬師寺展」で東京国立博物館に来た時には、次のように書いている。
 頭にお椀を被せたような帽子を被っている。この帽子の中央から髪が沸き立つ。頭頂から髪が沸き立つように出て、背中一面に拡がる。
 胸元から垂れ下がる房は、細く大きく八の字を描いて、両膝下に組み敷かれる。後ろの台座には、裙の裾が半円形を描いて台座に拡がる。

仲津姫命坐像画像一覧その1
仲津姫命坐像画像一覧その2
仲津姫命坐像
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