仏像名

ふりがな しんこうこうごうざぞう

薬師寺
制作年代

国宝
平安時代

神功皇后坐像

様 式

俗称又は愛称

製作材質

木造
彩色

樹 種

像 高

33cm

製作者

安置場所

鎮守八幡宮

開扉期間

解 説

 薬師寺には二体の女神像があり、一つは応神天皇の妃仲津姫であり、今一つはこの応神天皇の母君にあたる神功皇后の像で、四十センチに満たない小像でありながら充分な量感を持っている。神像は社の奥深く安置されているため彩色が良く残されているが、この像は特に美しい。
 奈良時代以来、用いられた上流女子の服装で、表着・背子・裳を着けている。単に彫刻史だけでなく、風俗・服装の上からも重要な遺品であり、また当時の女性の理想の姿をも知ることができよう。
「仏像ガイド」 美術出版社 1968年より

 神功皇后像と仲津姫命像は、髪を左右胸前と背面に垂らす。衣は、内衣・袖のある衣・背子という袖のない衣・肩を覆う領巾・裳をつける。両像は基本的には同じ姿で表わされるが、身色は神功皇后が肉色であるのに対して仲津姫命は白色であり、衣の色彩も、内衣が橙色に対し朱色、背子の文様が菱形文に対し草花文、背子の紐が花入り菱形繋ぎ文に対し松葉文、裙が緑地の無文に対し白地に蔓草文というように、仲津姫命の方が神功皇后よりも華やかな表現になっている。
 仲津姫命の裙の裾が広がるのも同様に意図であろう。また頬の表現も神功皇后に緩みを感じさせるのに対し、仲津姫命には張りがある。この相違は云うまでもなく像主の年齢によるものであり、表現の巧みさには目を見張るものがある。
「国宝 薬師寺展」より 東京国立博物館 2008年

私 の 想 い

 長く両胸に垂れ下る黒髪、白く丸いお顔で紅を指した唇。白い胸元、前襟を赤く塗った衣、そして、胸元から垂れる房に紋様を造っている。女親分の雰囲気である。
 右手は右足半跏の膝に袋手にして置く。左足は立て膝をしていて、左肘と衣の懐で左膝を覆い隠す。袋手にして内側に抱え込む。
 紅い衣に胸元から八の字に白い紐が垂れ下がる。片方は右足の膝下に、もう片方は、立て膝をした足元に垂れ下がる。福与かなお顔のお方である。
 平成20年4月「国宝 薬師寺展」で東京国立博物館に来た時には、次のように書いている。
 八幡神と共に三体が本来の並びで展示されて、一体ずつがガラスケースに入って保護されている。
 後ろに廻ることが出来た。驚いたことに前に垂らした髪以上に長く背中一杯に平面的に拡がる。背の腰まで垂れる。
 まさに、女親分を地で行く。胸元から八の字に垂れる房には、菱形模様の中に枇杷の実が房に着いた形で、五個房状に描かれている。

神功皇后坐像画像一覧その1
神功皇后坐像画像一覧その2
神功皇后坐像
薬師寺に戻る
薬師寺画像一覧その1 薬師寺の写真が楽しめます。
薬師寺画像一覧その2 薬師寺の写真が楽しめます。
薬師寺画像一覧その3 薬師寺の写真が楽しめます。
薬師寺画像一覧その4 薬師寺の写真が楽しめます。
薬師寺花華一覧その1 薬師寺の花々写真が楽しめます。
薬師寺花華一覧その2 薬師寺の花々写真が楽しめます。
薬師寺花華一覧その3 薬師寺の花々写真が楽しめます。
薬師寺花華一覧その4 薬師寺の花々写真が楽しめます。
薬師寺所蔵仏像
鎮守八幡宮
僧形八幡神坐像 神功皇后坐像 仲津姫命坐像 伝大津皇子坐像
大宝蔵殿
十一面観音立像 十一面観音立像2 十一面観音立像3
地蔵菩薩立像 地蔵菩薩立像2
文殊菩薩坐像 弥勒菩薩坐像 吉祥天立像
持国天立像 多門天立像
薬師寺1に戻る
薬師寺2に戻る