仏像名

ふりがな  じゅういちめんりゅうぞう

六波羅蜜寺
制作年代

国宝
平安時代

十一面観音立像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造
漆箔

樹 種

像 高

258cm

製作者

安置場所

本堂

秘仏

開扉期間

12年に1度開帳する。辰年に開帳する。

解 説

十世紀なかば、空也上人光勝が、阿弥陀の念仏を唱えて諸国をめぐり京都に着いた時、折から悪疫が流行して路傍に死ぬ者を見掛けるほどであった。これを救おうと、鴨川の東岸に堂を建て、西光寺と名付けて十一面観音立像を祀った。
 天暦五年(951)ごろのことで、西光寺は後六波羅蜜寺となり、この像がその時の像であるという。一木造・漆箔。幅の広い豊かな古様と共に藤原仏の柔らかさがある。「仏像ガイド」 美術出版社 1968年より

私 の 想 い

 右手は脇を開け、肘を伸ばして下に降ろし、親指で中指を摘む。左手も脇を開けて肘をLの字に折り、前に出す。
 平成21年10月に京都・滋賀「仏像観て歩き」・副題「千手観音と十一面観音を訪ねる」と銘打って「仏像観て歩き研究会」の仲間と訪問しました。
 右手は肘を伸ばして、そのまま下に降ろす。指先を下にして、親指で中指を摘まむ。手の平を正面に向けているが、何かを摘まんでいる訳でもない。
 左手は脇を締め肘をL字に折り、前に出し手首を返して、指先を上に手の平を正面に向ける。親指で中指を摘まんでキツネの指型である。奈良・法華寺の十一面さんは膝下に伸びた手で天衣を摘まんでいる。しかし、この十一面さんは何も持たない。
 十一面観音像では、左手に水瓶を持つことが多い。奈良・法華寺、聖林寺、室生寺、大阪・道明寺、京都・観音寺、滋賀・向源寺のいずれの十一面観音像も左手に水瓶を持っている。国宝に指定された十一面観音像では、水瓶は今までは必須条件であった。何も持たない十一面観音像でも国宝になれるようになったということです。

十一面観音立像画像一覧
十一面観音立像
六波羅密寺に戻る
六波羅蜜寺画像一覧 六波羅蜜寺の写真が楽しめます。
六波羅蜜寺所蔵仏像
薬師如来坐像 地蔵菩薩坐像 地蔵菩薩立像 閻魔大王坐像
持国天立像 増長天立像 広目天立像 多聞天立像
吉祥天立像 十一面観音立像 伝運慶坐像  伝湛慶坐像
空也上人立像 弘法大師坐像 僧形坐像  
六波羅蜜寺に戻る 


十一面観音像の考察