仏像名

ふりがな  こうぼうだいしざぞう

六波羅蜜寺
制作年代

重文
鎌倉時代

弘法大師坐像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造、玉眼
彩色

樹 種

像 高

69cm

製作者

安置場所

宝物館

開扉期間

解 説

 弘法大師空海(774835)、の肖像で最古の作品は、醍醐寺五重塔初層の壁画に真言八祖の一人として描かれた画像である。
 その後も空海像の肖像はすべて画像であったらしいが、天福元年(1233)、に運慶の子康勝が東寺の御影堂に祀る空海像を造ってから、彫像も造られる様になった。
 東寺の御影堂では、生きた人に対する様に、この彫像に毎日三時のお供えをする行事が今日まで続いている。
 この様な行事が行われる肖像がもし画像であるとしたら、損傷のため、とても長期に亘る掛け放しの状態を続ける事が出来ないし、祖師が実際目の前に座っていて、毎日お供えを受けて居られるのだという実在感が、彫像の場合よりも薄い欠点がある。 この六波羅蜜寺の空海像も、恐らく御影堂に祀られる像として造られたのであろう。作者も康勝と同じ慶派に所属する長快で、その師快慶は康勝の父運慶と、兄弟弟子の関係であった。
「京都の仏像」 淡交社 1968年より

 この像は、弘法大師の現存最古の彫像である東寺御影堂の康勝作弘法大師坐像天福元年(1233)と衣の襞などに共通する点が多く、これに「巧匠定阿弥陀仏長快」と墨書銘があり、快慶の弟子長快の作と知られる。
 「東大寺続要録」に建長八年(1256)から造り始めた、東大寺講堂文殊菩薩像を「法橋長快」が担当したことが記される。この像には位が記されないので、建長八年以前の作と考えられる。
「六波羅密寺の仏像」より 東京国立博物館 2008年

私 の 想 い

 右手は脇を締めて肘を折り、手に三鈷杵を持ち、手首を内側に捻って、胸元で抱え持つ。左手は脇を締めて肘を左太腿に着け、数珠を握る。
 東寺であなたが見せてくれた、立体密教曼荼羅の世界を観て来ましたと報告する。「空海と高野山」の展覧会にも東京国立博物館で観ました。もっとその時に勉強しておけば、ここで違ったお話が出来たのにと思う。
「ごめんなさい。これからもあなたの勉強は続けます」
と、誓う。
 平成20年7月に東京国立博物館で六波羅蜜寺展がありました。
「運慶さんの四男の康勝さんが制作した、東寺御影堂のあなたの姿があります。以後は、あなたにとって、五鈷杵は切り離せない持ち物になってしまいました。以後の江戸時代にあなたを沢山制作している、木喰上人さんも胸の前に大きく五鈷杵を彫り、手の平を返して抱かせております」
と、指摘したい。すっかりとトレードマークになってしまい、五鈷杵を握る姿が定着したのである。
 平成21年10月に京都・滋賀「仏像観て歩き」・副題「千手観音と十一面観音を訪ねる」と銘打って「仏像観て歩き研究会」の仲間と訪問しました。
 同じ貴方の像でも、京都・神護寺では、板彫りの彫像です。 また、奈良・極楽坊にもありますが、約百年後の1325年の作である。

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