仏像名

ふりがな でんたんけいざぞう

六波羅密寺
制作年代

重文
平安時代

伝湛慶坐像

様 式

俗称又
は愛称

製作材質

木造
玉眼、古色

樹 種

像 高

79cm

製作者

伝自作

安置場所

宝物館

開扉期間

解 説

 わが国の彫刻界の黄金期を築いた運慶・湛慶(運慶の長男)の父子の像である。
「六波羅蜜寺」縁起より

 運慶の子で、後継者として慶派の棟梁となった湛慶(11731256)の肖像彫刻と伝える。
 伝運慶像よりも若い容貌で、運慶・湛慶像とする伝承が正しければ、親子関係を示す為に若く造ったものと考えられる。
 袈裟を幅広い紐で吊り、脚部に衣の打合せた部分が見える点など重源や法然の服制に近いが、下からブリーツ状の襞のある裙を表す(湛慶像では、前面が欠失)点が異なる。
「六波羅密寺の仏像」より 東京国立博物館 2008年

私 の 想 い

 お父さんと同様に右手を上に左手を下にして、数珠を繰る。どうも観るところ、あなたがお父さんも自分も彫ったものと思えて来た。
 手の大きさがお父さんより小さいのが気になる。あなたの口元や眼光といい、鎌倉時代の仏師ここにありである。
「お父さんをあなたが彫ったと聞きますが、お父さんに対するあなたの気持ちが込められた素晴らしい出来栄えです」
と、一声かける。
 西洋でも、ゴッホやレンブラントは自画像を良く描いている。中でもレンブラントは多いし、必ず帽子を被っている。仏像彫刻に分類される世界で、自作の像はごく珍しい。
 平成20年7月に東京国立博物館で六波羅蜜寺展がありました。
右手は脇を締めて、肘をL字に折り、手の甲を前に向け数珠に手を通す。左手も脇を締めて、肘をL字に折り、右手の下で同じように腹の前で数珠に手を通す。
 父の運慶像と姿形は一緒であるが、湛慶像が少し小振りである。あの大きな三十三間堂の中尊は、あなたの作である。もっと大きな人が造ったものと思っていた。身体の大きさと仕事の大きさは無関係であるのだが。
 平成21年10月に京都・滋賀「仏像観て歩き」・副題「千手観音と十一面観音を訪ねる」と銘打って「仏像観て歩き研究会」の仲間と訪問しました。
「先程、三十三間堂で貴方の造った、本尊様と横一列に並んだ千手観音様五体を拝観して参りました。また、こちらでは、お父上の地蔵菩薩坐像と弟の康勝さんの空也さんを拝観させて頂きました。」
と報告しました。
「貴方の三十三間堂でのご活躍に拍手と感謝を申し上げたいと存じます。」
82歳の老境を迎えていながら、本尊のみならず、五体の千手観音像と八百数十体の発注と二十八部衆の制作調整をされたプロデュサーとしての能力に賛辞と敬意と今に残る感謝を申し上げます。

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