仏像名 ぜんざいどうじりゅうぞう

西大寺
制作年代

    重文
鎌倉時代

善財童子立像

様 式

正安四年(1302)

俗称又は愛称

製作材質

木造.切金文様彩色、玉眼

樹 種

像 高

86cm

製作者

安置場所

 本堂

開扉期間

解 説

 正安四年(1302)の叡尊十三回忌に造られたものであるが、元々文殊とは叡尊が非常に信仰していた仏の一つであったから、弟子達がその體したものであろう。
 これに文観などが結縁しているのも興味が引かれる。
「西大寺の文化」より

私 の 想

 初めて西大寺を訪問した時である。その日は朝早く訪ねたので、まだ本堂は開いておらず、寺務所に催促に行った。寺務所内にも本堂入口にも、東京の国立博物館で行われた西大寺展の宣伝用の写真が貼ってあった。その写真が善財童子の愛くるしい合掌したものでした。
 東京から帰ったばかりという事で、一層有り難い気持ちであった。その後、仏像に関する本や写真で、この善財童子の載っているものはないか、図書館や書店で探したがついに見付らなかった。
 二度目の訪問の今回は、絶対に写真を買って来ようと思っている。西大寺は東の東大寺に対して、西に建てられた寺である。本尊は七尺金銅の四天王であった。
 初めての修行の旅に出て、陽はもう西に傾き、真赤に燃えて沈んで行く。今日も一日無事に暮れて行く。明日もまた、無事に過ごせます様にと沈む太陽に合掌している。
 童顔の中にも利発を感じさせる顔、心身共に健康優良児の見本的な少年である。斜め前を見詰める眼と、ふっくらと可愛い小さな指で合掌している。同じ歳ごろの少年達にもこんな少年になってほしいものだ。そして、親達にはその責任がある。

 福与かなお顔で、遠い未来を見詰めるかのような、希望に満ちた眼差しをしている。
ここ西大寺には、駅に近いこともあり、また大阪から奈良に電車で来ると通り道でもあり、ついつい寄りたくなる寺である。
 寄れば必ずこの善財童子に会って行く。そんなことで会った回数は判らない位会っている。いつも彼の眼差しに勇気と希望を貰うような気がする。
 平成17年4月の「仏像観て歩き2」では、次のように記述している。
「坊の元気な姿を見ると私も元気が出るし、希望も湧いてくる」
とお礼をいう。
 大きな獅子に臆することなく、文殊さんと旅を続ける。あなたの元気な姿が他の老人達の生きる源になっているに違いない。

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